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ドイツ春の3大紛らわしい祝日「イースター」「昇天祭」「聖霊降臨祭」を解説!

ドイツは一応キリスト教国なので、祝日もキリスト教に関するものが圧倒的に多いです。
 
そんなドイツに8年ほど住んでいる私ですが
キリスト教系の祝日の意味が、未だによく分からない。
 
特には祝日が集中していてお休みも多いんですが
キリスト教に馴染みのない日本人にとって「この日がなぜ休みなのか?」というのが分かりづらいんですよね、、、。
 
というわけで、今回の記事では
ドイツ春の3大紛らわしいキリスト教関連の祝日 について書いていきます。
 
備忘録も兼ねて、、、!
 
 

ドイツの年間祝日

ドイツの法律が定めている祝日は、全国的に見ると年間計11日あります。
 
ただしドイツは連邦制をとっているので、16ある州ごとに年間の祝日数が異なります。
 
基本的にカトリックの影響が強い南ドイツの方が祝日が多いのが特徴です。
 
私はエヴァンゲリッシュ(福音派)の強い北ドイツのハンブルクやニーダーザクセン州にしか住んだことがないので、南ドイツの祝日の多さをいつも妬んでいたわけなんですが。
 
普通に考えてめっちゃ不公平、、、!
 
 
ちなみに
年間祝日が11日しかないドイツに比べ、日本の年間祝日はなんと16日。
 
実は日本は世界的に見ても祝日がとっても多い国 なんですよ〜。
 
その分、休暇は少ない傾向にあるんですけどね、、、。
 

キリスト教に関する祝日が多いドイツ

ドイツで祝日と言うと、大体はキリスト教に関係した祝日 です。
 
ドイツの年間祝日は11日ですが、その中でもキリスト教に関係がないのは:
  • 1月1日の「Neujahrstag (新年)」
  • 5月1日の「Tag der Arbeit(メーデー)」
  • 10月3日の「Tag der Deutschen Einheit(ドイツ統一の日)」
の3日だけ。
 
あとの8日は、ぜーんぶキリスト教に関連した祝日です。
 
そしてドイツで最も重視される祝日といえば
キリスト教のメインイベントと言っても過言ではないイエスの生誕祭・クリスマスです。

画像:聖☆おにいさん10巻その69より
 
クリスマスに関連した国の祝日は:
  • 12月25日の「1.Weihnachtstag(クリスマス第1日目)」
  • 12月26日の「2.Weihnachtstag(クリスマス第2日目)」
の2日ですが、土日の状況次第では20日から年明けまで休みにしちゃう企業も多いです。
 

ドイツ春の3大紛らわしいキリスト関係の祝日

さて、ここからが本題なんですが。
 
年間祝日11日のドイツですが
3月〜6月の春の時期に祝日が7日 と、祝日がエグイほど春に集中しています。
 
そして春に7日ある祝日のうち、メーデーを除く6日がキリスト教に関連した祝日 なのです。
 
キリスト教にあまりゆかりのない日本人にとって
この3〜4ヶ月の間に訪れる6日の祝日が非常に紛らわしい。
 
さらに紛らわしいことに
キリスト教の祝日は6日あるのに、それに関係するキリスト教のイベントは3つだけ という謎配分。
 
つまり
  • イースター(復活祭)
  • 昇天祭
  • 聖霊降臨祭
という3つのキリスト教のイベントに関連した祝日が、ドイツには6日もあるのです。
 
ドウイウコッチャネン。
 
というわけで
春に6日訪れるキリスト教関連の祝日について、以下で詳しく見ていきます。
 

Ostern:イースター

画像:聖☆おにいさん16巻特別編より
 
クリスマスの次に大切(だと思われる)キリスト教のイベントイースター も、春の時期にあります。
 
ドイツ語だと、Ostern(オースターン)。
 
キリストが死後3日目に蘇ったことをお祝いするキリストの復活祭ですが
日本でも「ウサギと卵」のおかげ(?)で認知度が上がりつつありますよね。

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イエス・キリストを唯一無二の人にしたあのスペシャルな「復活」ですが
ドイツにはイースター関連の祝日が3日 もあります。
 
祝日の日数だけ見ると、クリスマスより1日多いという待遇っぷり。
 
そんなイースター関連の祝日にはどんなものがあるかというと:
  • Karfreitag(聖金曜日):復活祭の前の金曜日。キリストが十字架の上で亡くなったとされる日
  • Ostersonntag(復活祭の日曜日):3月21日以降の満月の後の日曜日。キリストが死後3日目に復活したことを記念・追憶する日
  • Ostermontag(復活祭の月曜日):復活祭翌日の月曜日。
 
以下からは、イースターに関するそれぞれの祝日の特徴を見ていきます。
 

Ostersonntag:復活祭の日曜日

まずはイースターのメインの日、Ostersonntag(オースター・ゾンターク:復活祭の日曜日) について。
 
その名の通り、キリストが復活した日ですね。
 
復活祭は毎年同じ日付ではなく、3月21日以降の最初の満月の次の日曜日 に設定されます。
 
ドイツだとオフィシャルに春が始まるのが昼と夜の長さが同じになる3月21日だそうで。
日本だと「春分の日」ですね。
 
この春分の日以降の満月の次の日曜日が祝日になるので
復活祭は年によって3月になったり4月になったりします。
 
また復活祭の祝日は、毎年必ず日曜日になります。
 
うーん、ややこしー。
 
でもこの「復活祭の日曜日」を基準にそれ以降の春のキリスト教関連の祝日の日付が決まる ので、結構重要なんですよ。
 
 
ちなみに
ドイツのイースターはクリスマス同様、家族が集まってお祝いすることが多いです。
 
キリストの復活を祝う、、、という本来の目的よりは、長い冬が終わり春が来た喜びを家族と分かち合うという感じが近いかな。
 
もちろん、敬虔なキリスト教徒達は教会にも行くんでしょうけど。
 
ドイツでの一般的なイースターの祝い方としては
  • 庭にある低い木にイースターエッグを飾ったり
  • 子どもがいる家庭ではエッグハントが行われます。

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イースターエッグが飾られた木。
 
また家族が集まるので、夜はもちろんご馳走を食べます。
 
ウィキペディアを見ると「イースター中、ドイツではオスターフラーデンという円形のパンを食べる」とあるんですが、、、

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画像引用:復活祭 - Wikipedia
残念ながら私は見た事も食べた事もないですね。
 
ただ単に、旦那の実家にこのパンを食べる習慣がないだけかもしれませんが、、、。
 

Karfreitag:聖金曜日

イースターのメインである「復活祭の日曜日」の前の金曜日は、ドイツではKarfreitag(カール・フライターク:聖金曜日) と呼ばれています。
 
聖金曜日は、復活前にキリストが亡くなった日ですね。
 
毎年日付が変わるので厳密に言うと違うんですが、でも一応キリストの命日にあたる日です。
 
この日は「キリストが自ら選んで受けた受難を思い断食や禁酒・禁欲する」、、、というのがガチのキリスト教徒(主にカトリック)の過ごし方のようですが
ドイツでは「肉は食べずに魚を食べる日」という習慣が定着しています。
 
魚屋、歓喜。
 

Ostermontag:復活祭の月曜日

復活祭の翌日の月曜日Ostermontag(オースター・モーンターク:復活祭の月曜日) も、ドイツでは祝日に制定されています。
 
ドイツだと大きなキリスト教のイベントに関連した祝日の次の日もお休みになることが多い んですよね。
 
例えば12月25日クリスマスの翌日の12月26日(クリスマス第2日目)とか。
 
後述する聖霊降臨祭月曜日とか。
 
クリスマスやイースターなど、キリスト教のビッグイベントに関連した祝日の前後は長期休暇になることも多いからなのかな。
 
日本で言うところの「振替休日」みたいな感じでしょうか。
 
違うか。
 

【おまけ】karsamstag:聖土曜日

「聖金曜日」「復活祭の日曜日」「復活祭の月曜日」という祝日達に挟まれたKarsamstag(カール・ザムスターク:聖土曜日)。
 
「聖土曜日」は祝日ではない ので、一応スーパーなんかは営業してます。
 
営業はしてますが
「聖土曜日」は、スーパーがエグいほどに混む。
 
ドイツのスーパーはどこも祝日はキッチリと休む上、イースターで唯一スーパーが開くのが土曜日だけなので。
 
家族が集まるイベントということもあり、子供や孫達においしいご馳走を作ってあげたい人達がスーパーに殺到して毎年大変なことになります。
 
イースター中の土曜日は、特に用がなければスーパーには行かないことです。
マジでストレス溜まります。
 
 
あとドイツには
「聖土曜日」にOsterfeuer(オースター・フォイアー)と呼ばれる大きな火を焚く風習があります。

こんな感じで、木や草を高く積み上げて大きな火をおこします。
 
個人でやる人もいますが、市町村が主体となって大きな火をおこすことが多いようです。
 
写真も、小さな町の野原で見たオースター・フォイアー。
 
近くには消防車が待機しており
他にもビールやソーセージの屋台があったりして、「村人の集まり」という感じが強いです。
 
かなり大きな火なので、オースター・フォイアーをやるのは田舎が多いですね。
都会に住んでいるとなかなか見かけないかも。
 
また地域によっては火の中に人型の人形をくべることもありますが
これはユダ(イエスを裏切った弟子)を表しているんだとか。

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画像:聖☆おにいさん11巻その73より
 

Christi Himmelfahrt:キリスト昇天祭

春のキリスト教関連の祝日でイースターの後に訪れるのがHimmelfahrt(ヒンメル・ファート:昇天祭) です。
 
ドイツ語でHimmelは「天」、Fahrtは「行く」を意味するので
キリストが1度死んで3日後に復活しその後また「天に行った日」、つまり「昇天した日」となります。

画像:聖☆おにいさん11巻その73より
 
実際にキリストが復活から40日で再び昇天したことから
「昇天祭」の祝日もイースターの40日後に制定されています。
 
そのため昇天祭は毎年木曜日 になります。
 
休み好きなドイツ人のことなので、きっとみんな金曜日も休みにして4連休を取っていることでしょう。
 
ドイツでのヒンメル・ファート(昇天祭)はイースターほど重要な意味を持ちませんが
調べてみると「鶏肉を食べる」というのが一応の習慣となっているようです。
 
理由は「天に昇ったキリストに少しでも近づけるように。」
 
、、、いや
鶏肉食べても羽は生えませんけどね?
 
日本も大概そうですけど、ドイツでもそんなこじつけがあったとは、、、。
(日本だと「めでたい時に鯛を食べる」とか。)
 
 
ちなみに
ドイツのヒンメル・ファート(昇天祭)は毎年父の日(Vatertag)と同じ日になります。
 
これは中世からそうだったようで
「キリストが天にいる父の元に戻った」ということから、昇天祭と父の日が同じ日になったようです。
 
「ドイツと日本、母の日は毎年同じ日なのに父の日の日付が違うのは何でだろう?」って毎年思ってたんですが
ドイツ在住8年目にして、やっとその理由が分かりました、、、←
 
(ちなみに、日本の父の日は6月の第3日曜日です。)
 
「父の日」でもある昇天祭の祝日は
「パパ達が集まって楽しく遊ぶ日」 としても知られています。
 
街中だと、ビールをたくさん積んだカートをひいて街を練り歩く陽気な男達の姿をよく見かけたり。
 
そして楽しく遊んだ後の最終地点はやっぱりバーやパブ、ビアガーデンなどのアルコール関係になるようで。
 
多分そのせいで、この日は1年のうちでアルコール絡みの交通事故が増える日でもあるようです。
 
キリストと同じ日にパパが昇天とかシャレになんないので、、、
事故にはマジメに気をつけて欲しいところ。
 

Pfingsten:聖霊降臨祭

さて、春のキリスト教関連のイベント3番目。
 
日本人にとって最も馴染みが薄く、よく分からないのがPfingsten(プフィングステン:聖霊降臨祭) と呼ばれるイベントです。
 
「ペンテコステ」と呼ばれることもあるようですが
これは何かというと、キリストが信者達に聖霊を送った日 です。
 
新約聖書に書かれているエピソードの1つのようですが
キリストは復活中、弟子たちに「近いうちに聖霊が降る」ということを告げていました。
 
そしてキリストが再び昇天した10日後、お告げ通り信者達の元に聖霊が降ってきたということで。
 
そのことを記念するのが、「聖霊降臨祭」というイベントのようです。
 
、、、うーん、なんだかよく分かりませんね。
 
何がよく分からないって、「聖霊」ですよね。やっぱ。
 
「そもそも聖霊って何よ!?」って。
 
調べてみると、聖霊とはキリストを信じて洗礼を受けた人に宿る神聖な魂 のことらしいです。
 
キリスト教には三位一体(父・子・霊)という考え方がありますが、その中の1つでもあります。
 
、、、うん。
ねー。
 
まぁそうなってくると「聖霊が降ってくるってどういう状態!?」とか、そういう疑問も湧いてくるわけですが。
 
とにかく
プフィングステン(聖霊降臨祭)は、キリスト教の重要な要素の1つである「聖霊」に関するイベント という認識でいいのではないでしょうかね。たぶん。
 
、、、で、本題に戻って。
 
このプフィングステン(聖霊降臨祭)に関係する祝日は、ドイツには2日あります。
 

Pfingsten:聖霊降臨祭

まずはメインの祝日であるPfingsten(聖霊降臨祭)。
 
イベントの名前と一緒ですね。
 
「聖霊はキリスト昇天の10日後にやって来た」という聖書のエピソードに従い
プフィングステン(聖霊降臨祭)の祝日はヒンメル・ファート(昇天祭)の10日後、イースター(復活祭)の50日後 に制定されています。
 
また、この祝日は毎年必ず日曜日となります。
 
ちなみに、ウィキペディアを見ると
「ドイツでは牝牛に花冠をつけ引き回す風習がある」とありますが、、、
 
うーん、見たことない。
 
みんなもしかして、私に隠れてやってる、、、?
 

Pfingstmontag:聖霊降臨祭月曜日

聖霊降臨祭の翌日であるPfingstmontag(聖霊降臨祭月曜日) も、ドイツでは祝日に制定されています。
 
この日が祝日なのは、Ostermontag(復活祭の月曜日)やクリスマスの翌日の12月26日(クリスマス第2日目)が祝日なのと同じ理由かと思われます。
 
つまり大きなキリスト教イベントに関連した祝日の次の日もお休みになることが多い という法則(?)ですね。
 
日本でいう振替休日みたいなもんだと思います。多分ね。
 

まとめ

今回の記事では
ドイツ春の3大紛らわしいキリスト教関連の祝日 について書きました。
 
随分長い記事になりましたが
毎年何が何だかよく分からないままモヤモヤしてたので、整理できてすっきりしました。
 
毎年毎年、懲りもせず
ねーねー、「プフィングステン」って何?
知らねーよ!ggrks!
、、、という会話を旦那と繰り広げていたわけですが、そんな日々も今年でもう終わり!
 
ということで
最後までお付き合いくださりありがとうございました!
 
 
おわり!