ドイツ人ストリートミュージシャンと結婚しました。

バスカーでヒッピーな旦那のライフスタイルについて行けるのか!?めんどくさがり屋インドア女子の奮闘記

「高い城の男(The Man in the High Castle)」シーズン1前編【登場人物ごとのあらすじネタバレ解説まとめ】

ずっと気になっていた海外ドラマ「The Man in the High Castle(邦題:高い城の男)」をやっと観始めました!

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引用:https://twitter.com/HighCastleTV/media
 
というわけで、今回の記事では
Amazonプライムのオリジナルドラマ「高い城の男」シーズン1の前半 について書いていきます。
 
 

はじめに

今回紹介する「高い城の男(The Man in the High Castle)」は、2015年11月から放送を開始したアマゾンプライムのオリジナルドラマです。
 
2018年現在は、シーズン3まで放送済み。
 
「ドイツに住む日本人として、私が観なきゃ誰が観るの!?」
って、ずーっと思ってはいたんですけど、、、
 
アマゾンプライム限定ドラマってことで、なかなか手を出せず。
 
が!
最近、遂にアマゾンプライムに加入した(旦那が)ので、張り切って観てみることにしました。
 
 ♢♢♢♢♢
このドラマは基本的に
第二次世界大戦でドイツと日本が勝っていたら、アメリカはどうなっていたか?
ということについて描かれています。
 
ドラマでの設定は、1960年代。
戦争が終わってから15~25年後のお話です。
ドラマ内でのアメリカ地図。
 
東側の大部分をナチス・ドイツ(大ナチス帝国)、西側を日本(日本太平洋合衆国)に占領されており
また両国の領土の間には、どちらの国にも属さない中立地帯があります。
 
♢♢♢♢♢
表向きは友好関係を築くドイツと日本だけど、実は裏では勢力争いのために敵対関係にあったり。
 
そんな中で、ナチスと日本の支配に抵抗するアメリカ人のレジスタンス運動が盛んにおこなわれていたり。
 
この話は、とにかく様々な立場の登場人物がいろんな思惑で動き回りまくり。
 
結果、シーンはサンフランシスコからニューヨークに飛び
次は中立地帯に話が移ったかと思いきや、今度はベルリン、、、
 
という感じで
とにかく話が飛びまくりでややこしい。
 
というわけで、記事内では
キャラクターごとのストーリーを、それぞれの動きや考えに沿って解説・まとめていきます。
 
今回はシーズン1の前半、第1話から5話まで。
 
※英語版を観たので、日本語版とは解釈が異なる場合があるかもしれません。あしからず。
 ※ここから先、ネタバレあり
 

登場人物別ストーリーのまとめ 

ジュリアナとジョー

まずはこのドラマの主人公の紹介から。
アメリカの西側、日本の支配下にあるサンフランシスコで暮らすジュリアナ・クレイン(Juliana Crain)。
 
合気道を習っており、腕はなかなかのもの。
(しかし、その腕前を見せるシーンは意外と少ない。)
 
恋人であるフランクと共に生活している。
 
♢♢♢♢♢ 
彼女の平凡な生活は、妹のトュルーディが憲兵隊(日本の警察)によって射殺された所から大きく変わっていく。
ジュリアナの妹、トュルーディ(Trudy)。
妹とは言っても、父親が違う異父妹。
 
トュルーディが射殺される直前、ジュリアナは彼女から「イナゴ身重く横たわる(The Grasshopper Lies Heavy)」と題の付けられたフィルムを受け取る。
 
このフィルムには、ジュリアナ達が居る世界とは全く異なる歴史(=アメリカが戦争に勝ち、ドイツと日本が敗北したという映像。つまり現実に起こった歴史)が映されていた。
 
フィルムが入っていたバッグには他にも、中立地帯であるキャノンシティ行きのチケットが入っており
そこには手書きで「サンライズ・ダイナー」というレストランの名前と12:05という時間が書かれていた。
 
「すべてのことに、意味を見つけたの。」
 
トュルーディの最後の言葉が忘れられないジュリアナは、彼女の残したフィルムに関するミッションを遂行すべく、恋人フランクの助言を無視して日本領とドイツ領の間に横たわる中立地帯へと赴く。
 
♢♢♢♢♢
中立地帯にあるキャノンシティ行きのバスに乗ったジュリアナは、隣に座った女にバッグを盗まれてしまう。
 
、、、が。
そのバッグには別のフィルムが入れてあり、イナゴのフィルムは別の場所に入っていた。
 
、、、ジュリアナ、先見の明がありすぎる。
 
♢♢♢♢♢
無事にキャノンシティに到着したジュリアナ。
 
目的のダイナーを見つけ時間通りに行くも、結局目的の人物とは会う事が出来なかった。
 
ダイナーに入るために飲んだコーヒー代が払えず(バッグ盗まれちゃったからね)
困っている所に、颯爽とジョー登場。
 
ジョーはジュリアナのコーヒー代を払い、ジュースをおごり、なんと宿代まで工面してくれる。

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このドラマの2番目の主人公であるジョー・ブレイク(Joe Blake)。
普段はナチ管轄下のニューヨークに住んでいる。
 
助けてくれたジョーに感謝するジュリアナ。
 
しかし、一旦席を外したジョーが公衆電話から電話を掛けた相手に「Heil Hitler(ヒトラー万歳)」と言うではありませんか、、、!
 
そう、実はジョーはナチスのスパイ だったのです。
第一話目から、この展開よ。
 
ただこの時点でジョーは、ジュリアナがレジスタンス(トュルーディ)から受け取ったフィルムを持っている事はまだ知りません。
 
つまり純粋な親切心(と、ほんの少しの下心?)から、彼はジュリアナを助けたことになります。
 
ジュリアナ、かわいいもんね、、、、。
 
♢♢♢♢♢
ジョーのナチスとしての使命は、レジスタンスに潜入しフィルムを制作・収集する謎の男「高い城の男」に関する情報を探ることであった。
 
ニューヨークでレジスタンスへ潜入し、うまいことフィルムを手に入れたジョー。
 
現在は、キャノンシティにてフィルムを取りに来るであろうレジスタンスのメンバーおよび「高い城の男」からの接触を待っていた。
 
ジョーは当初、「フィルムを取りに接触してくるレジスタンスは男だ」という情報を聞いていたが
その後の連絡により、接触相手はサンフランシスコからきた女性であることが告げられる。
 
この時のジョーの心境ったらね。
「え、それってモロにジュリアナのことですやん、、、。」
って、なった事でしょう。
 
この時点ですでにジュリアナに好意を抱いていたジョーは、自分のスパイとしての使命とジュリアナへの想いの間で揺れ動く。
 
♢♢♢♢♢
ジョーにお金を返すため、そしてトュルーディが残したミッションのため、ジュリアナは「トゥルーディ」としてサンライズ・ダイナーで働き始めます。
 
そこに、いつも折り鶴を折っていて、ナチス支配下で禁書となっていた聖書を読んでいる不思議な初老の男性客がやって来ます。(以下、オリガミ男)
 
ジュリアナは彼がトゥルーディの待ち人だと思い、彼と個人的に会う約束をする。
 
が、しかし。
 
実はオリガミ男は中立地帯でレジスタンスの動向を探るナチス側の人間 だったのでした。
 
絶体絶命。
ジュリアナ、大ピンチ。
 
待ち合わせ場所に現れたオリガミ男が正体を明らかにし、ジュリアナを殺そうとした
 
その時!
 
颯爽と、ジョー登場。
 
突然のジョーの登場に怯んだオリガミ男を、ジュリアナが合気道の技でうっかり高い橋からダムに突き落としてしまいます。
 
正当防衛だったとはいえ、人を殺してしまったことに動揺するジュリアナ。
それをなだめるジョー。
 
うーん、ホレてまうやろ。
 
♢♢♢♢♢
翌日、ジョーが車にガソリンを入れに行くと
そこにはカウボーイハットをかぶり大きな猟銃を持った不審な男が。
マーシャル(Marshal・日本語版だと保安官)と呼ばれるその男は賞金稼ぎで、どうやら友人であるオリガミ男を探しているらしい。
 
捜索の末ジュリアナに辿り着いたマーシャルは、執拗に彼女を追いかけまわします。
 
そんなマーシャルの捜索を避けつつ、でも「ダムの下にあるオリガミ男の死体、見つかったらマズくね?」ということで
ジュリアナとジョーは2人で死体を隠しに再びダムへと向かいます。
 
その時、死んだオリガミ男のポケットの中に印のついた地図を発見します。
 
その地図が示す場所には洞窟があり、その洞窟の中には拷問された後のある女性の遺体が。
 
どうやらオリガミ男は、この場所でレジスタンスのメンバーに対し拷問を行っていたらしい。
 
洞窟には他にも名前を書き連ねた紙が置いてあり、一番下に書かれた2つの名前以外は横線で消されています。
 
まだ消されていない2つの名前は、「トュルーディ・クレイン」「レミュエル・ワシントン」。
 
1つ目の名前はジュリアナの妹で、彼女はすでに憲兵隊により殺されていますね。
(ただナチス側の人間はまだそのことを知らないので、名前はまだ消されていない。)
 
2つ目の名前レミュエル・ワシントン(Lemuel Washington)とは、サンライズ・ダイナーのオーナーである黒人男性の名前だとジュリアナが気付きます。
 
ジュリアナが探し求めていたレジスタンスのメンバーとは、実は意外とすぐ近くにいた。
 
♢♢♢♢♢
レミュエルの身を案じたジュリアナは、彼の家を突き止め忠告を与えに行きます。
 
ジュリアナとジョーを信用しきっていないレミュエルは、ジュリアナだけを家の中に入れフィルムを渡すように要求。
 
が、しかしジュリアナはこれを拒否。
 
理由は「フィルムを回収している人(高い城の男)に会いたいから。」
 
フィルムの内容が彼女にとってショッキングで、妹の事なんかもあり実際に「高い城の男」に会ってみたいという気持ちも分からなくもないけど、、、さっさとの渡しちゃえばいいのに。
 
で、レミュエルもしょうがないので「翌朝、高い城の男の元に連れて行ってやる」ということになりました。
 
、、、まぁこれがまた真っ赤なウソなんですけどもね。
 
ジョーがナチスだと(視聴者が)分かっている今、「高い城の男」はそうやすやすとは出てきません。
 
というか、シーズン1では全く出てきません。
(シーズン2になると、すげーあっさり出てくるんですけどねっ)
 
で、ジュリアナとジョーは何も知らずレミュエルについて行ってしまうんですが
気づいた時にはすでに遅し。
 
銃口を向けたレジスタンスの男たちが2人を取り囲み、ジュリアナの持っているフィルムを奪います。
 
戸惑う2人に、レミュエルは言い放ちます。
「2人とも、まだ高い城の男に会わせるほど信用できない。特にジョー、お前だァ!(←意訳)
 
、、、レミュさん、鋭い。 
 
ジョーはもうこれ、絶対殺されるんじゃない!? 
 
そう思ったその時!
 
「俺はレジスタンスのメンバーだ。その証拠に、俺もフィルムを持ってるぜ!(キリッ)」(←意訳)
 ってなことをジョーが言い出します。
 
もーね、こっちも真っ赤なウソ!
でもフィルム持ってるのはホントだもんね!
 
ジョーもフィルムを持っているなんて全く知らなかったジュリアナは、ビックリ仰天。
 
でもとにかく、ジョーが持っているフィルムもレジスタンスに渡すことで2人は無事に解放されたのでした。
 
♢♢♢♢♢
レジスタンスから解放された後も、猟奇の保安官・マーシャルからの追跡は続きます。
 
、、、が、そんな所にフランクの親友・エドからの忠告が。
「フランクが大変な事をしでかそうとしてる!早く帰ってきて止めて!」
 
、、、つまりは日本の皇太子暗殺計画(後述)のことなんですが。
 
サンフランシスコに帰らなくてはならなくなったジュリアナは、バスに乗りキャノンシティを離れます。
 
ジュリアナを助けてくれた、ジョーを後に残して、、、。
 

フランク(+木戸・エド・チルダン)

メインの2人・ジュリアナとジョーの話は、ひとまずここまで。
 
お次は、同じ時系列で話の進むジュリアナの恋人・フランクについてです。
ジュリアナの恋人で同棲相手であるフランク・フリンク(Frank Frink)。
名前、覚えやすいっすねー。
 
宝飾品加工の才能がありアーティストとして活動したいと願うが、それも叶わず今は模造銃工場で働いている。
 
彼はユダヤ人の血を引いているが、ナチスと日本の統治下においてはそのことを隠して生活している。
(それゆえ、ジュリアナに「家族を作ろう」と言われても消極的な態度を見せる。)
 
ジュリアナとの平穏な生活を望んでいるが
彼女の行動により人生狂いっぱなし。
 
シーズン1では同情するほど可哀そうな役回りです。
 
♢♢♢♢♢
ジュリアナがキャノンシティに行くバスに乗った後
ジュリアナとフランクの家には憲兵隊が押し入り、フランクを牢屋へと放り込み拷問を始める。
 
憲兵隊率いる木戸が知りたいのは、ただ1つ。
 
「ジュリアナ・クレインはどこに行った?」

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いつも冷酷な木戸(Chief Inspector・日本語版では警部または大尉)。
日本太平洋合衆国の憲兵隊(警察)の人です。
 
木戸はフランクのユダヤ人としての血筋を話に出し
「ジュリアナの居場所を吐かなければ、フランクの妹とその子ども達を殺す」と脅します。
恋人と家族の命の間で、揺れるフランク。
 
フランクの隣の牢に入れられていた男ランドール(レジスタンスの一員でトュルーディの彼氏)が「あのフィルムには未来への希望がある。絶対にフィルム(ジュリアナ)の場所を漏らすな」と釘を刺す。
 
結局、フランクはジュリアナの居場所を吐かなかった。
 
木戸は諦めて、「待合室」と称したガス室に捕らえていたフランクの妹とその子ども達の殺害と、フランク自体の処刑を命じる。
 
処刑場に連れてこられたフランク。
そこには、すでに銃で打ち抜かれ亡骸となった牢屋の隣人・ランドールの姿が。
 
頭に布を被せられ、まさに殺される。
 
、、、と思ったその時!
 
木戸の元に、「フィルムを持った不審な女を発見した」との情報が。
 
この女はバスでジュリアナのバッグを盗んだ女なのですが、憲兵隊はその女がレジスタンスのメンバーだと勘違い。
 
もはやジュリアナの居場所を知る必要もなくなり、フランクは処刑から奇跡的に逃れることが出来たのでした。
 
ただ、フランクの妹とその子ども達の処刑には一歩間に合わず。
フランクが解放された時、彼らは既に殺されてしまった後なのでした、、、。
 
♢♢♢♢♢
憲兵隊から解放されたフランクは、身も心もボロボロ。
 
そんな時、「日本の皇太子がサンフランシスコにやって来る」というニュースを聞きます。
 
自分をここまでめちゃくちゃに追い込み、何より何の罪もない妹とその子ども達を殺した日本人が憎い。憎い。憎い。
 
フランクは突発的に、日本の皇太子を暗殺する決意をします。
 
フランクの計画を察した親友のエドが止めようとするも、結局止めることが出来ず。
フランクの同僚で親友のエド・マッカーシー(Ed McCarthy)。
 
彼はめちゃくちゃいい人なのに、こっちが見ていて心配になる位、フランクとジュリアナに首つっこみすぎ、、、。
 
「これはエドになんか悪いことが起きるぞぉ、、、」と、誰もが思ったことでしょう。
フラグ立ちまくり。フラグビンビン物語。
 
フランクはチルダンが経営する骨董品店で、実弾を3発購入し暗殺に備える。
(なおそのうちの1発は、揉み合いになったエドが誤ってフランクの腕に発砲。)
 
 
 
 
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サンフランシスコにある骨董品屋の店主ロバート・チルダン(Robert Childan)。
主な顧客は日本人。
 
チョイ役かと思いきや、今後結構な頻度で登場する。
ジュリアナとフランクのゴタゴタに巻き込まれるが、結構美味しい思いもしたり?
 
♢♢♢♢♢
日本の皇太子がサンフランシスコにて演説を行う日。
 
ポケットに実弾入りの銃を忍ばせたフランクは暗殺の機会を伺うが
隣に居た日本人の男の子の目を見て暗殺を思いとどまる。
 
しかし、演説会場では皇太子が何者かによって銃で撃たれる。
 
会場は騒然。
 
結局暗殺を行わなかったフランクも、逃げるようにしてその場を立ち去る。
 
♢♢♢♢♢
皇太子銃撃事件後、家に居たフランクの元にジュリアナが帰って来る。
 
、、、んですが。
ここのシーン、もう非常に気まずい。
フランクは今しがた皇太子を暗殺しようとしていたことを、ジュリアナに言えるはずもないし。
 
ジュリアナが去った後に憲兵隊に拷問されて、その結果妹とその子ども達を失ったことなんてもっと言えない。
 
というか、フランクたぶん
2人が殺されたのはジュリアナのせいだと思ってる。
 
フランクが私だったら、絶対そう思うわ。
 
フランクがジュリアナに対し怒るのは当然だし、態度もめっちゃそっけない。
 
ジュリアナもジュリアナで、人を1人殺してしまったことが(正当防衛にも関わらず)心に重くのしかかり、フランクに詳細を話すことをためらっている様子。
 
ジュリアナはその後両親の元を訪ねますが、そこでフランクとその家族に起こった事について聞かされます。
 
ジュリアナは家に戻りフランクの腕の中で涙を流しますが、2人はもう元の2人に戻ることは出来ないでしょう。
 
グッバイ、平穏な日々、、、。
 

田上貿易大臣とヴェグナー大佐

お次は、ジュリアナやフランクが住む世界の政治背景的な話です。
 
日本人のお偉いさんと、ドイツ人のお偉いさんが出てきます。
日本太平洋合衆国の貿易担当大臣、田上。
 
日本語版では田上(たうえ)ですが、英語版ではなぜかTagomi(たごみ)と呼ばれている。
 
易経での占いを好む平和主義者で、皇太子妃からの信頼も厚い。
↑顔、めっちゃ怖いのにね。
 
妻と子とは戦争で死別しており、時々仏壇の前に座り2人を想う姿が描写される。
↑顔、めっちゃ(以下略) 
 
そんな悪役顔だけど平和主義者な田上さんは、一貫してドイツとの戦争回避 に向けて動きます。
 
シーズン1では主に、ナチスの親衛隊大佐・ヴェグナーの手助けを行います。
ルドルフ・ヴェグナー(Rudolph Wegener)はナチス側の人間でありながら、ナチスの人種政策や残虐行為に強い嫌悪感を抱いています。
 
ナチスと日本の間での次の戦争を恐れた彼は、田上貿易大臣と手を組みナチスが持つ原爆の情報を、原爆を未だ持たない日本側に漏洩しようと画策します。
(いわゆる「核の抑止力」というやつですね。)
 
、、、そんな大事な情報、なーんで田上大臣が受け取ってやらないのかよく分からなかったんですが。
 
とにかく
ヴェグナーがベルリンから持ってきた核の情報が入ったマイクロフィルムは、彼自身が日本の技術大臣に直接手渡さなければならないらしい。
 
もちろん、情報を漏洩させたのがヴェグナーだとバレないように。
 
というわけで
田上大臣は間近に迫った皇太子のスピーチの席上で、ヴェグナーを技術大臣の隣に座らせるようセッティング。
 
そこでヴェグナーがこっそり、技術大臣のポケットにマイクロフィルムを忍ばせるという作戦。
 
ところが皇太子銃撃事件が起こり、結局ヴェグナーは計画を実行することが出来なかった。
 
(ちなみに
皇太子銃撃事件後の現場で田上大臣は、フランクが落としたジュリアナのハートのペンダントを拾います。
 
彼はその後そのハートのペンダントをいとも大事に扱うのですが、そのことが今後の田上大臣とジュリアナの関係を示唆しています。)
 

まとめ・感想

というわけで、今回の記事では
「高い城の男(The Man in the High Castle)」 シーズン1前編の登場人物ごとのあらすじ解説まとめ でした。
 
このドラマのごく簡単な感想と言えば
もうめちゃくちゃおもしろいです。
 
まずオープニングからグッと引き込まれます。
 
オープニング曲は、かの有名な「エーデルワイス」。
知っている方も多いのではないでしょうか。
 
「サウンド・オブ・ミュージック」の挿入歌としても有名なこの曲ですが
サウンド・オブ・ミュージックの中では、トラップ大佐がドイツに併合されゆく祖国オーストリアを想い歌う曲 として使われています。
 
日本語版にはありませんが、英語版(そしてドイツ語版)には以下のような歌詞があります。
Blossom of snow may you bloom and grow
Bloom and grow forever
Edelweise Edelweise
Bless my homeland forever
特に、最後のワンフレーズが非常に印象的です。
 
「わが祖国に、祝福を。」Bless my homeland forever
 
日本も、ナチスも、そしてレジスタンスのメンバーであるアメリカ人も。
 
「わが祖国に祝福を」与えるために戦っており、そのことをオープニング曲の最後のワンフレーズが非常に強く印象付けています。
 
エーデルワイスとは、ドイツ語で「高貴な白」という意味ですが
国の繁栄を想う気持ちはみな気高く、そこには絶対的な善も悪もありません。
 
♢♢♢♢♢ 
さて、本編についてですが。
 
まずはとにかく映像の色彩が、作品の持つイメージにピッタリ。
例えばこれはナチス占領下のニューヨーク・タイムズスクエアですが
なんつーか、ダークでモヤッとしてるけど、でもコントラストが強い。
 
そんな感じ。
うーん、分かりますかね?
 
(こういうコントラストが強い感じ、最近の海外ドラマでは結構よく見るような。
流行ってたりするんですかね。)
 
♢♢♢♢♢
その他にも日本とドイツのお国柄の違いが色濃く描かれていて、ドイツ在住日本人としては非常に興味深いです。

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引用:https://twitter.com/HighCastleTV/media
これはドイツ側のスミス大佐日本側の田上大臣の写真ですが
この写真だけでも、日本とドイツという国の違いが非常に良く表されています。
 
(日本の影響下にあるサンフランシスコの街は、若干中国らへんも混じってる感じはあったけれども。)
 
あとは例えば、日本人とドイツ人が会議をする際のあいさつの仕方の違いとか。
 
日本人はおじぎですが、ドイツ人はナチス式の敬礼です。
 
 
 
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画像の中で自由の女神がやってる、右手を挙げるポーズですね。
 
このポーズに、「Heil Hitler(ヒトラー万歳)」や「Sieg Heil(勝利万歳)」といった言葉がくっついてきます。
 
日本人はお辞儀、ドイツ人はナチス式敬礼。
 
見ていて非常に違和感を覚えるシーンでしたが
もしドイツと日本が戦争に勝っていたら、本当にこんな感じになってたのかな。
 
(ちなみに
このナチス式敬礼のポーズは、ドイツでやると普通に逮捕されますので要注意。
「ハイル・ヒトラー」「ジーグ・ハイル」も同じです。
戦後70年以上経った今でも、ドイツ人はこの辺のことには非常に敏感。)
 
 
日本とドイツの軍隊文化の違いみたいなものも、見ていて面白かったです。
 
日本人が任務に失敗するとハラキリ・切腹ってなってましたが
ドイツ人は逆に自分が悪くても罪を認めない・認めたら負けという文化なので、たとえ任務に失敗したとしても誰かに消されるまでヒョウヒョウとしてるのが印象的でした。
 
 ♢♢♢♢♢
さて。
非常に長くなりましたが、今回はここまで。
 
今回の記事では
「ジュリアナとジョー」
「フランク」
「田上大臣とヴェグナー大佐」
のストーリーについてまとめました。
 
次回、シーズン1後編の記事では
上記の人物に加え、私の好きなスミス大佐についても詳しく書いていきます。
 
すげー怖い。だがそこがいい。
オーバーグルッペンフューラー・スミス。
 

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おわり!