前回の記事では、たくさんの温かいコメントやブクマをいただきありがとうございました。
先日、無事に留流産の手術を終えることが出来ました。
妊娠8週目で流産と分かってからは気持ちが塞ぎがち&手術が怖くて怯えていましたが、コメントを読んで心を落ち着かせることが出来ました。
今回の記事ではドイツで受けた稽留流産の手術 について、私の経験を書いていきます。
書いていたら長くなってしまったので記事は2回に分けました。今回は【前日:手術の説明編】です。
もし今後ドイツで手術を受ける方の参考になれば幸いです。
※本記事では流産、そしてその手術について書いています。
読むのが辛い方もいらっしゃるかと思います。
そういう方は、ここでそっ閉じお願いします。
- 手術前日までの流れ
- 手術前日。いきなり病院の不手際で辛い思いをした、、、
- 再々エコーも対応が微妙だった
- 手術の説明
- 再び産婦人科に戻って書類を返却し、終了
- 手術の説明を受ける時に知っておくと役に立つ(かもしれない)ドイツ語
- 手術日前日の持ち物について
- 次に続きます
手術前日までの流れ
私は手術の前日に1度病院へ行き、本当に流産しているかの再々エコー検査と手術の説明を受けました。
この日は月曜日だったのですが、先週の水曜日に「心拍が確認できない」という話を既に先生からされました。
水曜日は妊娠してから3度目の検診。その2週間前に心拍を確認した後のことでした。
その後金曜日に旦那を連れて再エコーを受け、その時も心拍が確認できなかったので「稽留流産の可能性が高い」と言われました。
手術の前日、再々エコーと手術の説明を受けたのはその翌週の月曜日。
流産の可能性が分かってから5日目のことでした。
ちなみに、私が通院・手術をしたのは大きな総合病院(Kranlenhaus)で、産婦人科も手術施設もどちらもある病院です。
個人開業の産婦人科にかかっている場合は手術の施設はないことが多いので、稽留流産で手術となった場合は近くの総合病院に行く必要があります。
手術前日。いきなり病院の不手際で辛い思いをした、、、
流産手術の本筋とは関係のないことですが、「こんなことがあった」ということで書いておきます。
総合病院にある産婦人科には2種類あります。
すなわち妊娠中に定期的に検診に行く普通の産婦人科と、出産時にお世話になる専門的な産婦人科です。
、、、まぁ「普通の産婦人科」と「専門的な産婦人科」というのはあくまで仮名なんですけどね。
専門的な産婦人科には分娩室(Kreißsaal)や入院施設が付いているのですが、そこでは妊婦のみならず婦人科系の病気を抱える女性も診察を受けています。
Kreißsaalに付随する専門的な産婦人科は出産だけに特化しているものだと以前は思っていたのですが、、、どうやらそうではないようです。
かなり高齢のおばあちゃんなども診察に来ていたので。
とにかく、流産が分かってからは普通の産婦人科ではなく専門的な産婦人科の方に行きました。
再々エコーを受けた月曜日は、まず1Fにある普通の産婦人科で手術書類を受け取り、その足で5Fにある専門的な産婦人科に行くようにとの指示を事前に受けていました。
予約していた時間の少し前に普通の産婦人科に書類を取りに行ったのですが、金曜日に診察してくれた先生が連絡を怠っていたようで、、、
受け付けの人に聞いても「何も聞いてないから分からない。知らない。」と言われてしまいました。
仕方なくまたイチから今までの経緯を説明したのですが、手術書類は渡せないということで結局これまでの診察のカルテのコピーを持って5Fに行くように言われました。
何というか、、、
知らない人にまたいちいち「流産してしまって、、、」と説明するのが、辛くて心が折れそうだった。
泣くかと思ったわ。
上手く情報共有が出来ないのは、総合病院ではよくあることなのかな。
そしてその後5Fに行ったのですが、間違えて分娩室の受付の方に行ってしまい、そこでもまた1度流産の経緯を説明するハメに。トホホ、、、。
その後にようやく、専門的な産婦人科(仮名)の受付に辿り着きました。
こちらには1Fの産婦人科から電話連絡が行っていたようで、「あ、あなたが〇〇さんね。」とすんなり受け入れてもらえました。
1Fでもらったカルテのコピーと母親手帳(Mutterpass)を渡し、待合室で少し待つことに。
再々エコーも対応が微妙だった
前回まで診てくれた担当の先生は風邪でお休みだったようで、再々エコーは若い女の先生とまだ学生で研修中っぽい男性が行ってくれました。
(女の先生も、もしかしたら研修生だったかも。服装が白衣ではなかったので。)
診察台に登り、若い女の先生がエコーをしてくれました。
若い女の先生は、先週診察を受けたベテラン医師と違い
「診察台上げますねー。ビックリしないでくださいねー。」
「これからPHのテストをしますねー、痛くないので大丈夫ですよー。」
「これからこの器具入れますねー。」
と、何かにつけて丁寧に声をかけて対応してくれたのですが、、、。
エコーが始まると、今までの先生は見せながら説明してくれたエコーの画面を全く見せてくれず。
エコー画面は研修中とおぼしき男性の方に向いており、女の先生が
「この機器はこういう風に使います。これが子宮で、、、これが卵巣で、、、あ、反対側の卵巣がよく見えませんね。今日はもうお通じ(Stuhlgang)ありましたか?」
という感じで、患者である私そっちのけで勉強会が始まってしまいました。
それが5分ほど続き、私に対しては最後に「あ、心拍は見えなかったので掻爬手術になりますねー。」と1言説明があっただけでした。
うーん、、、。
別に研修生に説明するのはいいんですが、事前に一言ぐらい「今日は研修生が勉強の為に同席します。よろしくお願いします。」くらいの挨拶があっても良かったのでは。
研修生は若い男性で、(たぶん)医学生と言えどちょっと恥ずかしいってのもあったし。
しかもエコーの器具の説明とか卵巣の位置の確認とかは、流産してる私ではなくもっと他の健康な妊婦にお願いしてやって欲しかったかなぁ、、、。
とまぁ、ただでさえ気持ちが沈んでいるのに更に嫌な気持ちになってしまいました。
気が小さすぎるかな、、、。
ドイツ人は結構ドライな所があるというか、日本と違いサービスが細やかに行き届かないことも多いから、、、病院には、気持ちを強く持って行くのがいいかと思います。
手術の説明
産婦人科(Gynäkologe)
エコー後は再び待合室で待ち、その後同じ若い女の先生から手術の説明を受けました。
手術の日程は事前に「やるとしたら火曜日」と言われていたので、次の日に手術日をするという前提で話を進めました。
手術に関して説明された内容は、大体以下の通りです。
この話を、文字+絵が書いてあるプリントを見ながら行いました。
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手術は掻爬手術(AusKratzung又はAusschabung)になる。(ただ、手術後の報告書を見ると吸引手術になってた、、、。詳細は次の記事で。)
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前日夜と当日朝に子宮口を柔らかくする薬を飲み、手術では小さい器具から子宮口に入れていき約8mmまで子宮口を開いてから内容物を掻き出すための器具を入れる。
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手術は全身麻酔を使って行い、手術時間は10分〜20分ほど。
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手術には出血や腹痛、また子宮内の損傷などの副作用を伴うことがある。(ただ先生には「説明しなきゃいけないからするけど、でも子宮内の損傷などは普通は起こらないから。」と言われました。そりゃそうだわな。)
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手術後は麻酔を抜くために数時間病院に留まる。
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手術後はお腹が減るので、何か食べるものを持ってくること。(私はおにぎりを3つ持って行ったのですが、手術後は本当にめちゃくちゃお腹が減ったので3つじゃ足りなかった、、、。ちなみに、飲み物は術後に炭酸水のボトルと暖かいお茶をもらえました。)
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手術日当日は朝6時半に指定の場所に行き、退院は14時頃になる。
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手術前日は夜10時から絶食。(=nüchtern。食べ物だけでなく、飲み物とタバコもダメ。)
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手術後、帰る際は誰かに迎えを頼むこと。車の運転は控える。
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手術後、高熱や腹痛がある場合は病院に知らせる。
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手術後は2週間後に産婦人科に予約を入れる。(これは普通の産婦人科でOK。診察時に持って行くための紙をもらいました。)
この中でも特に注意が必要なのが、前日夜と当日朝に飲む薬。
この薬は薬局に行って受け取る必要はなく、医者からその場でもらえます。
子宮口を柔らかくするための薬で非常に重要なものらしく、「絶対に飲み忘れないでね!」と何回か言われました。
私の場合、前日夜は寝る前に、当日朝は起きてすぐ飲むように指導を受けました。
あと注意が必要なのは、手術日前日夜からの絶食。
夜の22時以降は、食べ物だけでなく飲み物とタバコもダメです。
ただ薬を飲む時だけは、少量の水を飲みます。
このような注意点については、簡単な詳細と何かがあった際の緊急連絡先が記されたプリントをもらいました。
その他、手術の説明の際に
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手術後、無事に終わったことを家族に知らせる必要はあるか?
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何かがあった際の緊急連絡先
を聞かれました。
手術後の連絡に関しては、ドイツの病院内は携帯使用OKな所が多いので手術後に自分で行うことも出来ます。
(私は自分で知らせるつもりだったのですが、病院内が圏外だったので結局病院を出た14時過ぎまでは連絡出来ませんでした、、、。)
何かあった際の緊急連絡先は、私は旦那のケータイ番号を教えました。
麻酔科(Anästhesie)
産婦人科医から手術の概要と手術前後の注意点を受けた後は麻酔科に行き、手術時の麻酔の使用について説明を受ける必要があります。
先ほど産婦人科医から説明を受け承諾のサインをした書類+麻酔についての説明が書かれている書類を持って、自分1人で麻酔科の受付に行きました。
「3Fにある麻酔科(Anästhesie-Abteilung)の受付に行って、『手術の際の麻酔(Narkose)について説明を受けたいんですが』って言ってね!」
と言われたんですが、、、
麻酔科の受付には鍵が掛かっていて誰もおらず。
仕方ないので近くを通りがかった医者っぽい人を捕まえて事情を聞き、待合室でしばらく待っていると小部屋に通されました。
麻酔科での説明は産婦人科での説明よりは短かったのですが、いろいろと重要なことを聞かれます。
例えば、持病やこれまでの疾患・手術の履歴、また医薬品のアレルギーなどについて。
私の場合チェックリスト式の紙をもらって記入したんですが、そこに書かれているドイツ語がまた医療用語で難しいったら、、、。
間違いがあっては大変なので、心配であれば手術の説明の日には旦那さんがドイツ人なら一緒に来てもらうことをオススメします。
もし1人で行く場合には、辞書をお忘れなく。
私は1人で行きましたが、この独和辞書アプリ↓を使ってとりあえずは何とかはなりました、、、。
お金は掛かりますが、ドイツに来てから最もお世話になっているアプリと言っても過言ではないかも。
あとは自分の持病や以前掛かった疾患・手術などを事前にドイツ語でなんて言うのか調べてから行くといいと思います。
(例えば、盲腸(炎)=Blinddarm(entzündung)とか。)
ちなみに、麻酔に関しては「背中から打つよ~」という説明を受けたと解釈したんですが、、、。
当日行ったら、麻酔は左手の甲から打たれました。
、、、つまり、こういうことがあるといけないのでっ!
手術の説明日には、旦那さんについて来てもらうと安心です。
あと関係ないんですが、説明を受ける時に麻酔科の先生が
「流産の手術をする女性は多く見て来たけど、流産の手術をする日本人は初めて見たなぁ!」
とか
「息子がハルキ・ムラカミの大ファンでさー。本全部読んだって言ってたよ!」
と言われました。
、、、割と失礼だとは思ったんですが、なんだかノリが軽くて笑ってしまいました(笑)
それまではかなり気持ちが張り詰めていたんですが、ちょっとだけ心が軽くなったり。
田舎の病院だから、日本人が珍しいのか。(先生も生粋のドイツ人ではなかったっぽいけど)
そもそも麻酔科の先生って、陽気な人が多いのか、、、?
再び産婦人科に戻って書類を返却し、終了
麻酔科での説明が終わって書類にサインをしたら、書類を持って再び産婦人科に戻ります。
受付に書類を提出してオッケーが出たら、手術の説明に関するプロセスは終了です。
手術の説明を受ける時に知っておくと役に立つ(かもしれない)ドイツ語
Fehlgeburt 又は Abort:流産
Missed Abortion:稽留流産
Operation:手術
Narkose:麻酔
Vollnarkose:全身麻酔
Anästhesie-Abteilung:麻酔科
Auskratzung 又は Ausschabung:掻爬手術
Absaugung:吸引手術
Gebärmutter:子宮
Muttermund:子宮口
Eierstock:卵巣
Herzschlag:心拍
Stuhlgang:便通
nüchtern:絶食・胃が空の状態
ambulant:(医学)外来の
Notfall:緊急事態
手術日前日の持ち物について
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母親手帳(Mutterpass)
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健康保険証(Krankenversicherungskarte)
手術日前日・当日共に健康保険証はなぜか求められなかったのですが、一応持って行った方がいいと思います。
ちなみに、手術に掛かる費用は全額健康保険が負担してくれました。
ドイツすごい、、、!
次に続きます
手術には全く関係のない愚痴っぽいことまで書いていたら、長くなってしまいました、、、。
ので、次の記事に続きます。
次は手術日当日の流れ について書いていきます。
おわり!