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すごい映画を見つけてしまった、、、!【ファンタスティック・プラネット】あらすじ・感想・考察

先日、ドイツのテレビで「思い出のマーニー」を放送していました。

 

「あぁ、ドイツでもやってるんだ、、、!」

と思い、ドイツ語で若干何言ってるか分かりませんでしたが、雰囲気で最後まで観ました。

 

 「マーニー、、、!!!」

 

と余韻に浸っているところに、次の映画が始まりました。

その名も「ファンタスティック・プラネット」。

 

今回は、この映画の話です。

 

 

※ネタバレなしです。

 

「ファンタスティック・プラネット 」 

 

「ファンタスティック・プラネット」。

 

フランスとチェコの合作アニメーション映画です。

 

監督はルネ・ラルー。

 

原作はステファン・ウルというフランス人作家の「オム族がいっぱい」というSF小説だそうです。

 

1973年に制作された、今から40年以上も前の映画です。

 

出だしから引き込まれてしまった

この映画、まずは出だしからすごかった。

 

ほとんど裸の状態で、砂漠のような、でも変な木のようなものが生えている不思議な場所を逃げまどう人間の女性。

その腕には、まだ小さな赤ん坊が抱かれています。

 

そこに空から現れる、真っ青な大きな手。

 

女性はどうやら、この手から逃れるために逃げ回っているようです。

 

この真っ青な大きな手に突っつかれて、裸の女性は死んでしまいます。

 

1人残された人間の赤ん坊は、真っ青な大きな体に真っ赤な目を持つドラーグ族に拾われ、ペットとして飼われることに、、、。

 

あらすじ

ドラーグ族にペットとして飼われることになった、人間の赤ちゃん。

 

この人間の赤ちゃんが、成長するにつれてドラーグ族の高度な知識を習得し始めるんですが

ある日、自分がペットであることに疑問を持ちドラーグ族の元から逃げ出します。

 

その時にドラーグ族から隠れて暮らす他の人間達と出会い、合流。

 

ドラーグ族は人間に危機感を覚え、人間を駆除し始めるのですが

その危機的な状況に、人間はどう対応していくのか、、、というお話です。

 

感想・考察

とにかく、奇妙

感想としては、とにかく奇妙でした。

 

この映画を観ている間、ずーっと

「いやぁ、、、Strangeだわぁ、、、」(旦那と一緒に観ていたので、英語)

を連発してしまいました。

 

とにかく色や描写がサイケデリック。

 

そしてとてもシュール。

 

人によってはトラウマになるんじゃないかと思うほど、とにかく奇妙な雰囲気が印象的な映画でした。

 

真っ赤な赤い目を持つ真っ青な宇宙人(ドラーグ族)が「カッ」とこちらを見つめている場面なんかもう、、、

「こっち見んなぁぁぁ!」ってなりました。

こっち、見んな。

 

この映画を観た夜は

眠りに落ちる直前まで、この「真っ青な顔に浮かぶ大きな赤い目」の映像が頭から離れませんでした。

 

昔のアニメーションとは思えないクオリティ

この映画は1973年に作られた古いアニメーション映画なので

絵自体はどこか古めかしい感じがします。

 

アニメーションも、現代のようにCGを使っているわけでもないので動きが若干カクカクしています。

 

ただ

手製アニメーションの質感が、最高。

 

これを手で1枚1枚書いているのかと思うと、本当に信じられないようなクオリティでした。

 

アニメーションの技術で言うと今のアニメーション作品の方が断然上なのですが、、、

何というか、手製のアニメーションの質感が、一周回ってとても新鮮に映りました。

 

また、サイケデリックでどこか近代的な感じを思わせる絵でありながら

話自体は、人間が地球に住み始める前の世界。

 

この絵と時間軸のギャップがまた、何とも不思議な感じでした。

映画を観ていて時差ボケになったのは、この作品が初めてです。

  

映像は奇妙だが、内容は意外としっかりしている

この映画は映像がとにかく奇妙なんですが

内容は現実にある問題を提起するような、意外としっかりした内容だったという点がまた魅力的でした。

 

ドラーグ族にペットとして拾われた赤ん坊が大きくなり、ドラーグ族の元を逃げ出して他の人間たちと合流、ドラーグ族vs人間の攻防戦が始まる、、、といった内容なのですが

 

この内容からは

「支配する者と支配される者」

「人間の存在意義」

「人間のような高度な知能を持った宇宙人への脅威」

 

ひいては

「人権問題」

「差別問題」

「動物愛護」

「集団生活において重要なこと」

といった身近にある問題までも、この映画の中で提起されているように感じました。

 

ただ映像がサイケデリックでシュールなだけなら観ている途中に退屈してしまったかもしれませんが

上記のような観ている人に問題を投げかけるような内容と相まって、観ている人を釘付けにする魅力のある映画です。

 

他の作品への影響?

かなり衝撃的な映画だったので、この映画に影響を受けた方も少なくないのではないかと観ていて思いました。

 

宮崎駿?

「ファンタスティック・プラネット」のウィキペディアを見ると

奇妙な巨大生物の描写など、宮崎駿の漫画・アニメ『風の谷のナウシカ』に影響を与えたと指摘されている

と書かれていました。

 

 確かに、腐海にいる変な形の生物なんかは雰囲気が似ているような、、、。

 

アバター?

あとは個人的に

「アバター」の世界観も、ファンタスティック・プラネットに影響を受けたのではないかと感じました。

 

青くてデカい、人型の宇宙人みたいなのが出てくる所とか。

その青くてデカい人型の生物vs人間という構図とか。

木の中に大勢で生活している所とか。

 

まぁアバターは人間が侵略する側なので、話の内容は逆なんですが。

 

進撃の巨人?

 

「人間が巨人に支配される」という点では、「進撃の巨人」に近いものがあります。

 

調べてみると同じように考えている人は多いようですが、真相はどうなんでしょうかね、、、。

 

とにかく

素晴らしい映画作品に影響を受けて、新たに素晴らしい作品が生まれることは素晴らしいことだと思います。

 

まとめ

今回は

ドイツのテレビを観てる時に見つけた映画「ファンタスティック・プラネット」についてでした。

 

いや~、本当に奇妙な映画でした、、、。

 

ドイツ語で何か観るのはあまり好きじゃないので、基本ドイツのテレビもあまり観ないのですが

この映画にはなにか人を吸い込む力があり、途中で観るのを止めることが出来ませんでした。

 

、、、でもまぁ、何が一番奇妙かって

「思い出のマーニー」のすぐ後に「ファンタスティック・プラネット」を放送しちゃう、arte(ドイツとフランス共作のテレビ番組)のチョイスよ、、、!

 

「思い出のマーニー」は子どもでも楽しめる映画だと思いますが

ファンタスティック・プラネット、お前はダメだ。

 

子どもが間違えて観ちゃった日なんか、一生のトラウマ待ったなし。

 

でもarteのチョイス、嫌いじゃないです。

むしろ好き。

 

以前、arteでやっていた番組を話題に記事を書いた事もあります。

こちらは、かなり重い番組でしたが、、、。

 

これを機に、ドイツのテレビも観てみようかな。

 

ちなみに

「ファンタスティック・プラネット」が放送された2日後には

同じテレビ番組で「ピアノの森」という日本のアニメ映画が放送されていました。

 

 

マンガが原作の映画ですが、この映画もすごく良かった。

 

arte、いい仕事してる、、、!!

(ドイツ語の吹き替え版だけじゃなくて、字幕版も作ってくれたら尚いいのに、、、!)

 

 

おわり!