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【ドイツの就労ビザ事情】就労ビザの取得方法と問題点について

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ドイツ在住6年目になりました。

 

その間にビザを4回切り替えた私ですが、つくづく感じるのが

「ドイツで仕事するのって難しい、、、」ということ。

 

特に、ドイツ人との婚姻に依らずにドイツで働きたい場合に取得する「就労ビザ」で働くのが1番難しいと感じます。

 

というわけで、今回の記事では

ドイツの就労ビザにスポットを当てて、その取得方法や問題点をまとめていきます。

 

 

ドイツの「就労ビザ」とは

「就労ビザ」と書きましたが、実際にはドイツに「就労ビザ」と名の付く査証はありません。

 

滞在許可証(Aufenthaltserlaubnis)に労働許可の付いたもののことを、この記事では便宜上「就労ビザ」と呼ばせていただきます。

 

ドイツで働くことの出来るビザは、主に以下の4種類があります。

  • ワーホリビザ
  • 就労ビザ
  • 婚姻ビザ
  • 永住権

 

永住権はドイツに数年住んでいないと取れないので、1番最初にドイツに移住する際はワーホリビザ婚姻ビザを取得する方がほとんどです。

(学生ビザでもドイツに滞在は出来ますが、月々稼げるお金に制限があるため今回の記事では除外します。)

 

ただし、婚姻ビザはドイツ人のパートナーが居ないと取れませんし

ワーホリビザには年齢制限があり、その枠から外れてしまうと取ることが出来ません。

いろいろあるビザの中でも就労ビザ

ワーホリや婚姻ビザに該当しない方でもドイツで就職することのできる唯一のビザ です。

 

就労ビザの取得方法

就労ビザは

  • 仕事先と一緒に申請する必要があり
  • 取得後はその仕事先でしか働くことが出来ない

という特徴があります。

 

ですので、就労ビザを取得するためにはまず仕事先を見つける必要があります。

そしてその仕事先で、正社員として雇ってもらいます。(もしくは、雇ってもらう約束をします。)

 

ドイツでの「正社員」とはつまり、ミニジョブ(=税金・年金の支払いが免除となる月収入400€以下で働くパートタイム)ではない人のことを指します。

 

日本のように、週40時間働く人が正社員というわけではありません。

 

就労ビザ取得の際には

  • 年金や税金を納めているか
  • 健康保険に加入しているか
  • 生活していくのに足るだけのお金を稼いでいるか

などをチェックされますので、必然的に正社員として働くことが求められます。

 

 「生活していくのに足るだけのお金を稼いでいるかどうか」というのは、基準としては月収入1200€(約15万6千円)ほどだという話を以前聞いた事がありますが、これは定かではありません。

その人の生活状況によっても必要額は変化するようです。

 

実際私の場合、就労ビザを申請した時は週たったの26時間しか働いていなかったので当然1200€の収入はなかったのですが

それでも「ドイツ人の彼氏(今の旦那)と一緒に住んでいて、生活費を折半しています」ということを旦那に一筆書いてもらい、就労ビザをゲットしました。

 

その他にも、人事の指示で「なぜドイツに居たいのか」というラブレター(!)を書いて申請書に添えたりもしました。

 

就労ビザ申請時の事情に関しては、勤務先の人事担当の方が1番詳しいと思うので勤務先とよく相談する必要があります。

 

とにかく、就労ビザ取得のためにあなたがするべきことは

  • ビザサポート可能な勤務先を見つけること

の1点に限ります。

 

ドイツ就労ビザの問題点

「ビザサポート可能な勤務先を見つける。」

文字にするのは簡単ですが、これがなかなか難しい。

 

ではなぜ、ビザサポート可能な勤務先を見つけるのが難しいのか。

そして、ドイツで就労ビザを取るのは難しいのか。

 

以下では、その理由と就労ビザの問題点について挙げていきます。

 

ビザサポートに積極的な企業が少ない

就労ビザは、勤務先の企業とあなたが一緒に申請するものですが

ビザ申請には当然時間や手間・お金がかかるため、就労ビザ目当ての人は敬遠されやすいです。

 

もし同じ能力を持つ、働けるビザ(ワーホリや婚姻ビザ、永住権)を持つ人とそうでない人が募集してきたら

企業は間違いなく既に働けるビザを持っている人を採用するでしょう。

 

そもそも求人の要項欄に「働けるビザを持った方のみ」と書く企業も少なくありません。

 

外国人よりはドイツ人を就労させたいドイツ政府 

ドイツ政府は、ドイツ国内での失業率改善のために全力を尽くしています。

したがって、ドイツ人に出来る仕事であればドイツ人を優先的に雇いたいと考えています。

 

そのため、いざビザサポートをしてくれる企業が見つかったとしても

ドイツ人でも出来る仕事で就労ビザを申請するのは非常に難しいのです。

 

ドイツで仕事をしたいEU出身の外国人が多い

ドイツはEU圏なので、EU圏出身の人はドイツでもビザなしで働くことが出来ます。

 

例えばここ数年は、失業率の高いスペインから多くの優秀な若者がドイツに仕事を探しに来ていますし

西欧の貧しい国からドイツに出稼ぎに来ている人もたくさんいます。

最近では難民の問題もあり、彼らの多くもドイツで職を探しています。 

 

このような事情があるため

EU圏外出身の外国人を雇う大きなメリットがない限り、企業がビザ申請を手伝ってくれることはありません。

 

職種が限られる

上記のような理由から、日本人が就労ビザを取得できる仕事というのは非常に限られてきます。

 

基本的に就労ビザを取得できるのは、日本食レストラン日本企業、また専門的な職業(看護師など)に限られます。

 

日本企業が日本人を現地採用する場合、ドイツ語能力を重視する場合が多いですし

専門的な職業に関しても、日本での実務経験の他に業務に差し支えない程度のドイツ語能力が問われます。

 

日本人であることが重要視されない専門職の場合、求人上のライバルがドイツ人なのでよりシビアです。

 

となると、日本から来たばかりでドイツ語能力の高くない人が就職できるのは日本食レストランのみとなります。

 

雇用先に縛られる

就労ビザは雇用先に依った滞在許可のため、その仕事を辞めると滞在許可自体が失効してしまいます。

 

辞めたり転職したりするとドイツに住み続けることすらできなくなってしまうめ、雇用先では常に弱い立場に置かれる可能性も。

 

もちろん、きちんと対等に扱ってくれる職場がほとんどだとは思いますが、、、。

 

最後に:ドイツで就労ビザを取得するための最善策とは

今回の記事では

ドイツでの就労ビザ事情 について書きました。

 

、、、なんだか否定的なことばかり書きましたが

日本人がドイツで就労ビザを取ることは、決して不可能ではありません。

 

1度就労ビザを取ってしまえば安定して雇用してもらえることが多いですし

就労ビザは大体1~3年の期限付きですが、もし雇用先があなたを評価してくれていれば更新も容易に行われます。

 

また就労先がビザ申請の手続きを手伝ってくれるので、語学力があまりなくても大丈夫というメリットもあります。

 

就労ビザを取得したい人にとって1番大事なのは、とにかく職場探しです。

ビザサポートをしてくれるかどうかをよく確認しましょう。

 

就労ビザでドイツに滞在する現実的な方法としては

最初は日本食レストランで働き、ドイツ語を勉強して様子を見ながらその後のことを考える というのが最善かと考えます。

 

もしかしたらドイツで素敵なパートナーが見つかって結婚するかもしれないし

コネが増えて、ビザサポートをしてくれる他の求人が見つかるかもしれないし。

 

とにもかくにも、現地に住み始めることが肝心です。

そうすれば、何かしらの変化があります。

 

私も最初は日本食レストランで働き就労ビザを得ましたが、日本食レストランでの仕事もとても楽しかったですよ。

日本食レストランはビザサポートに慣れている所も多いですし

ドイツにはチップの制度があるので、額面以上の収入を得ることも可能です。

 

もちろん、手に職やコネ・高いコミュ力のある方は、他にも求人が見つかるかと思いますが。

 

ドイツで就労ビザを取ることは決して簡単なことではないですが

楽しい事や学ぶべきことも多いので、気になっている方はぜひ挑戦して欲しいです。

 

おわり!