臨床心理士の友達が遊びに来てました。
彼が熱心に語っていた「夜型人間」についての話が面白かったので、まとめました。
- 夜型人間は、夜早く寝ても朝早くには起きられない?
- 「夜型人間」になる理由
- 「夜型人間」なのは遺伝子のせい?日常生活が夜型人間に与える危険性
- 「夜型人間」が快適に暮らしていくためにはどうするべきか?
- まとめ
夜型人間は、夜早く寝ても朝早くには起きられない?
夜にやたらとやる気が出る人。
具体的に言うと
夜の10時頃に眠くならず、逆にやる気が出ていろいろとやり始めてしまう人。
こういう人は「夜型人間」に分類されますが
臨床心理士の友達によると、こういった夜型人間が無理やり夜早く寝て朝早く起きようと思っても、上手く目が覚めないそうです。
その原因として
朝型人間と夜型人間では「メラトニン」が分泌される時間帯が異なるという理由が挙げられます。
メラトニンとは
体内時計に働きかけることで、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用があり、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。
朝、光を浴びると、脳にある体内時計の針が進み、体内時計がリセットされて活動状態に導かれます。また、体内時計からの信号で、メラトニンの分泌が止まります。メラトニンは目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されます。 徐々にメラトニンの分泌が高まり、その作用で深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。
メラトニンとは「自然な眠りを誘う睡眠ホルモン」で
脳の中で覚醒と睡眠の切り替えを行っています。
夜型人間はメラトニンの分泌が朝型人間よりも遅いため
無理やり早い時間に寝て早く起きても、朝の早い時間にはまだメラトニンが分泌され続けていて脳が睡眠状態にあるため、頭がぼーっとしたりして仕事などにも上手く集中できないんだとか。
「夜型人間」になる理由
自然な睡眠を促すメラトニンは、光に反応して分泌が止まります。
現代に「夜型人間」が増えた理由として
- 暗い夜でも強い明かりを使うことが一般的になった
- パソコンやスマホなど夜でも強い光を見る機会が増えて、それがメラトニンの分泌を妨げている
ということも挙げられますが
最近の研究によると
外的要因に依らない、遺伝子的に夜型人間である人が一定数いるというのです。
つまり
遺伝子によりメラトニンの生成が夜遅くに行われる人というのがいるんだとか。
こういった人は
朝日が昇ってからもメラトニンが分泌されているため、朝に上手く活動することが出来ないそうです。
「夜型人間」なのは遺伝子のせい?日常生活が夜型人間に与える危険性
「夜型人間」に関する最近の研究について、こちらの記事を要約します。
Night Owls and Early Risers Have Different Brain Structures | HuffPost
記事要約
目覚まし時計がなくても朝早く起きて活動できる「朝型人間」と
夜に活動的になり、可能であれば昼近くまで寝ていたい「夜型人間」。
個人が好むクロノタイプ(朝型・夜型など、1人1人が持つ活動と休息の時間的なタイミングのことを)を決定づけるものは、その人のライフスタイルや気分、認知機能や健康状態の他に遺伝子が深く関連しているというのは研究により既に明らかとなっているが
ドイツのアーヘン大学による新しい研究によると
「夜型人間」の脳のいくつかの部分で白質の完全性の低下が認められたという。
「白質」とは、神経細胞間の通信を容易にする脳内の脂肪組織で
白質の完全性が低下することはうつ病、および正常な認知機能の崩壊に関連している。
ではなぜ、「夜型人間」の白質は完全性を失っているのか。
研究では
夜型人間の慢性的な「社会的ジェットラグ(時差ぼけ)」によって、白質の完全性の低下が引き起こされているのではないかと結論付けている。
夜型人間の体は日々の人生のスケジュール、特に朝早く起きることを求められる仕事や学校のスケジュールに適応しないことが多い。
その結果、夜型人間は「社会的時差ぼけ」を起こし、慢性的な睡眠不足、疲労、集中困難、身体的苦痛や不快感を覚えることになるという。
また研究は、夜型人間は不眠症やうつ病のリスクが高くなることを示唆している。
双子による研究などでも、ヒトのクロノタイプの決定に遺伝が関連していることを示しており
遺伝子は私たちのクロノタイプの決定に重要な役割を果たしていることが分かってきている。
筆者は、社会がこれらの遺伝子による生物学的睡眠パターンの力を認識し始め、人々が仕事や学校のスケジュールを睡眠パターンに合わせて調整できるような柔軟性が必要だと感じる。
なぜなら以上のことは、公衆衛生と生産性を向上させるのに賢明で睡眠に優しい戦略であるからだ。
「夜型人間」が快適に暮らしていくためにはどうするべきか?
自力で夜型を朝型に変える
上記の記事には、要約した箇所の他に
遺伝子の力による「夜型」も、自分の力で変えることが出来るということが多くの研究によって明らかになっていると書かれています。
「夜型人間」が自力で睡眠覚醒サイクルを変える方法として、記事では
- 夜間に人工的な光を制限する。
- 日中、日光に多く当たる。
ということを挙げています。
また、上記に加え
- 就寝前の飲酒を避ける。
- 睡眠時間と起床時間を毎日同じにする。
- 寝室を暗くし、スマホやパソコンを持ち込まない。
ことも、規則的で質の良い睡眠を強化するのに大切だそうです。
夜型人間も快適に暮らせるような社会のスケジュール作り
「朝日を浴びる」や「夜に人口光を見ない」というのは、規則正しく質の良い睡眠を取るためによく言われることですよね。
私自身、どちらかと言うと夜型人間なんですが
朝早く起きるためにどうすればいいかが分かっていても、なかなか上手く実践出来ないというのが本音です。
自分が活動的な時間を変えることも不可能じゃないんですが
どんなに言われても、やっぱり夜の方が効率的に活動できる。
そういう人は、現代社会には多いのではないでしょうか。
というわけで
社会が夜型人間に合わせて変わるべきというのが、臨床心理士の友達と私の意見です。
学校も会社も、大体朝の9時には始まりますよね。
でも
夜型人間が朝のこの時間から働いたり勉強したりすることは、非常に効率が悪いので
学校も会社も、お昼頃からのスタートにするべき。そうすれば、夜型人間も朝型人間も効率よく仕事や勉強に励めるのではないか、と。
まとめ
今回の記事では
朝早く起きられない「夜型人間」は遺伝子によるものなので、学校や仕事の時間をもう少し遅くするべきだ
という意見について書きました。
人間は光がないと活動できないので
人工的な明かりがなかった時代には、日の出と共に活動を始め、日没とともに活動を終えるしか手段がありませんでしたが
今の世の中24時間どこにでも明かりがついているので、暗くて不便な思いをすることがありません。
その結果夜型人間が増えたことは事実だし、それが遺伝子によるものであるとなれば尚更
みんながみんな揃って朝の9時から授業や仕事を始める必要はないと感じます。
つまり
学校も会社も、昼頃からの出勤にすればいいのではないか、と。
朝型人間は、朝に自分のしたい事をしてから出勤する。
夜型人間は、仕事終わりに、次の日の朝早く起きることを気にすることなく自分の時間を持てる。
また
出勤時間が遅くなれば、必然的に仕事後の残業時間も減るのではないかと考えます。
(朝早く来て「残業」することになるとまた問題なんですけどね、、、。労働時間が長すぎるというのは、また別の問題ですかね。)
もしくは
自分で始業時間と終業時間を決めることが出来る「フレックスタイム制」をもっと一般的に採用すべきだと感じます。
フレックスタイム制とは
決められた労働時間の中であれば、自分で出社時間と退社時間を決めることのできるという制度です。
フレックスタイム制を採用することにより仕事の効率も上がるし、ラッシュアワーの混雑の問題も解消されます。
(フレックスタイム制を学校に導入するのは、ちょっと難しそうですが。)
最近の研究により「遺伝子による夜型人間がいること」、そして「現代の生活スケジュールが夜型人間に与える危険性」が明らかになりました。
また、夜も明るい生活が普通になった以上
夜型の人も自分の活動サイクルに合わせてスケジュールを調整できるような、社会の柔軟性が必要なのではないかという話でした。
最近ではこんなオシャレな光目覚ましもあるのか、、、。
おわり!