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ハンブルクG20サミットを控えた開催地の様子、混乱や予想されるトラブルをお伝えします

2017年7月7日(金)~8日(土)。

 

ドイツのハンブルクで、第12回目のG20の首脳会合が行われます。

 

G20開催を1週間後に控えたハンブルクの状況は、ドイツ全国のマスコミでも連日報道されています。

 

今回の記事では

 G20という大きな国際会議を控えたハンブルクの様子や、予想されるトラブルなどについてまとめました。

 

「G20」についてはこちらの記事から↓

 

 

2017年G20ハンブルクサミットの開催場所

2017年のG20サミットは、7月7日(金)と8日(土)にドイツのハンブルク市にあるハンブルク・メッセ(見本市、会議場)で行われます。

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Jahr der Rekorde für die Hamburg Messe | Hamburg News

ハンブルク・メッセ(見本市、会議場)

 

普段は車、航空、船舶、芸術作品などの見本市や、大規模なフリーマーケット会場として使われることが多いですが

2年前に起こった難民危機の際は、ハンブルクにたどり着いた難民の一時収容施設としても使われました。

 

また、7日(金)の夜にはエルプフィルハーモニーでG20の晩さん会が行われる予定です。

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By Maddl79 - CC 表示-継承 4.0, Link

ハンブルクの新しいシンボル?エルプフィルハーモニー

 

このエルプフィルハーモニーは9年の歳月を経てようやく今年1月にオープンしましたが

建設費用が当初の予定の約10倍に膨れ上がるなど、税金を払うハンブルク市民からは怒りの声の方が多い印象です。

 

エルベ河沿い、ハンブルク港に建つこの建物は「波」をイメージして作られたそうで

ハンブルクの新しいシンボルとして期待されていますが、、、

シドニーのオペラハウスなどに比べると、若干インパクトが薄い感じも否めません。

 

安全対策の問題

参照:G20-Gipfel in Hamburg 2017 – Wikipedia

G20 Hamburg: Fragen und Antworten - hamburg.de

 

G20のみならず、大きな国際会議において常に問題となるのが安全対策の問題。

 

G20ハンブルクサミットの際はハンブルク警察が安全対策の指揮を執りますが

実際に警備に当たるのはハンブルク警察のみならず、連邦警察GSG-9(ドイツ警察の特殊部隊)、また他国の警察からの応援も予定しており、少なくとも1万5千人以上の警察官がG20の安全対策のためにハンブルクに集まるそうです。

 

様々な所からかき集められた警察は、各国首脳や要人、サミット会場やホテルの護衛だけでなく、電車内空港などにも配備される予定です。

 

G20の安全対策は予行練習済み

去る2016年12月8日・9日。

 

G20の会場ともなるハンブルグ・メッセOSCE(欧州安全保障協力機構)の会合が行われました。

 

こちらは各国の外務大臣が集まる会合だったんですが

時期的にも、2017年に開催されるG20の安全保障関連の予行練習的な意味合いが強かったようです。

 

一般人は入れないセキュリティーエリアが設けられる

G20の警備はOSCEの時を参考に行われますが

OSCEの時にもあったセキュリティーエリアが、G20の際にも設けられるようです。

 

G20開催会場であるハンブルク・メッセと、晩さん会が行われるエルプフィルハーモニーの周辺がセキュルティーエリアとして規制地域になります。

 

セキュリティーエリアが正式に設けられると、一般人はそのエリアを通行できなくなります。

 

規制区域の出入りは住民やその訪問者、商業施設の利用者、正当な理由のある者(郵便配達人、介護員等)に限られ

必ず警察の検問所を通過する必要があり、身分証等を携行する必要があります。*1

 

セキュリティーエリアがいつから設けられるかというのはまだ定かではありませんが

発表ではハンブルグ・メッセでは遅くとも7月5日(水)から8日(土)まで*2

エルプフィルハーモニーでは7月7日(金)から8日(土)まで*3が規制地域となる予定です。

 

ただテロ対策なども考えると、5日より前から規制が敷かれる可能性もあるかもしれません。

実際、メッセ周辺ではG20開催の3ヵ月ほど前から緩やかな規制が始まっています。

 

実際のセキュリティーエリアの地図はこちらから:

polizei-hamburg.maps.arcgis.com

 

私が経験したOSCE会合時の状況 

OSCEの会合が行われた時は、まだハンブルクに住んでいました。

 

G20開催期間中は、OSCEの時と状況が近くなることが予想されるので

私がOSCE開催期間中に経験して不便だったことを書き出してみました。

 

  • 開催期間中はハンブルク市上空に何台ものヘリコプターが飛び回っていてうるさかった。
  • 会場であるメッセや晩さん会会場だったハンブルク市庁舎付近は、セキュリティーエリアが敷かれたため通行止め。自転車で通ろうとしてもダメで、迂回を余儀なくされた。

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OSCEの晩さん会が行われたハンブルグ市庁舎

 

  • セキュリティーエリア内は公共交通機関であるバスの通行も禁止され、バス利用者に影響が出た。
  • 会場や晩さん会会場の最寄り駅には電車が止まらなかった。

 

OSCE開催中、私も通勤のためにバスを利用したんですが

勤務先までの道が閉鎖され、バス並びに多くの車がその場に立ち往生する羽目となりました。

 

バスが止まってしまったのは幸い私の勤務先の近くだったので

バスの運転手さんに言って道路の真ん中で下してもらい、なんとか仕事には間に合いましたが、、、。

 

バスの運転手さんが

「普段は道の真ん中で乗客を降ろすなんてことは危険だからしないんだけどね。この通行止めがいつまで続くか分からないし、今回はしょうがないね。」

というようなことを言っていました。

 

ちなみに、この通行止めの原因はデモ行進のためでした。

 

G20開催により、多数のデモが計画されている

G20開催により市民が不安に思っていることの1つが、開催中に多数計画されているデモです。

 

ドイツの憲法では、日本と同じく「武器を用いない平和的な集会の権利」が保証されています。

これはG20開催中も例外ではありません。

 

もちろんデモ自体は悪い事ではありませんが、、、。

 

G20開催に関連して行われるデモは数がものすごく多く、デモ隊が行進するために様々な場所で道路が通行止めになることは必須です。

またデモが暴徒化する恐れもあり、警察や市民はそのことに不安を抱いています。

 

在ハンブルク領事館も、メールやウェブサイトにて注意喚起を行っています。

G20サミットが7月7日(金)、8日(土)にハンブルクで開催されますが、7月2日(日)から8日(土)にかけて、25を超えるG20関連のデモや集会がハンブルクで予定されています。これらデモ等の影響により、ハンブルクでは交通渋滞、公共交通機関の麻痺等が生じるおそれがあります。また、一部のデモ等は暴徒化するおそれがありますので、デモ等の行われる地区への無用の立ち入りは控えるとともに、万一デモや騒動に遭遇した場合には、速やかにその場を離れるなど、ご自身の安全を確保するようにしてください。

また、これらデモ等の影響により、当館への交通アクセスが困難となることが予想されます。皆さまにおかれましては、デモ等からご自身の安全を確保するためにも、7月2日(日)から8日(土)にかけて、ハンブルク市庁舎周辺を含む市中心街へ出向くことは可能な範囲で避けてください。

参照:http://www.hamburg.emb-japan.go.jp/downloads/demo_info.pdf

 

G20は7月7日(金)から8日(土)までの開催ですが

早いデモは既に2日(日)から予定されています。

 

デモの内容*4を見てみると

  • G20反対のデモ
    ”G20-Welcome to Hell”なんていう物騒なコンセプトのデモもあります。
  • 環境問題に関するデモ
  • 資本主義に反対のデモ
  • 国際協力を呼びかけるデモ
  • 難民に関するデモ
  • 人種差別反対のデモ

 

などなどなど、、、。

本当に様々な種類のデモが行われる予定です。

 

今現在、25を超えるデモの届け出があるようですが

これはハンブルクでは過去最多のデモ数*5となるようです。

 

一番多くデモが行われる予定の7月8日(土)

約10万人から15万人の人がハンブルクで何らかのデモに参加する予定なんだとか。*6

 

ひぇ、、、!

 

デモの情報についてはこちら:

http://www.hamburg.emb-japan.go.jp/downloads/demo_maps.pdf(6月28日現在。ルート等は変更になる場合があります。)

 

G20開催に伴う道路状況、車での移動について

ハンブルグ市のウェブサイトでは街の中心部では車の使用を控え、電車を利用することを推奨しています。

 

これは開催会場付近に通行禁止のセキュリティーエリアが設けられることや、デモにより道路が封鎖される時間帯があり、混雑が予想されるためです。

 

また、規制区域やデモ行進ルート以外にも一時的に

  • 空港から市内への道
  • メッセからエルプフィルハーモニーまでの道
  • その他主要ゲストが泊まるホテル周辺

 で交通規制が行われる時間帯があるようです。

 

元々ラッシュアワーの時間帯は渋滞が酷いハンブルクなので、G20開催中はどうなることやら、、、。

 

G20開催中と、開催期間前は車での移動は避けた方が無難です。

 

G20開催に伴う公共交通機関への影響

G20開催中、公共交通機関にはタイムテーブルやバス停などに若干の変更があります。

 

バス

G20開催に伴う道路状況(制限エリアや要人の移動、またデモ行進)により、バスラインによっては運航しない区間があったり、通常より目的地に着くまでの時間が長くかかる場合があります。

 

実際にどのバスがどのエリアで交通規制を行うかについては、HVVのサイトをご確認ください。:http://www.hamburg.de/contentblob/9023912/1f7074f51f3b06386028d14bdec8e335/data/liniengrafiken.pdf

 

電車

7月5日(水)から8日(土)の期間で、以下の駅または出口が閉鎖されます。 

  • UバーンKarolinenstraße駅とHamburg-Messe駅
  • U/SバーンSternschanze駅のHamburg Messe, Eingang West出口

 

長距離電車

都市と都市の間を結ぶ長距離電車は、通常の運行となります。

 

飛行機

2017年7月6日(木)~9日(日)の期間でフライトに若干の遅れが出ることもあるようです。

 

特に

  • 6日(木)の午後
  • 7日(金)の朝
  • 8日(土)の午後

の便に影響が出やすいようなので、フライト情報をマメに確認した方が良いでしょう。

 

実際のフライト情報は、ハンブルグ空港のウェブサイトで確認できます:Flughafen Hamburg - Homepage

 

各国首脳はどのホテルに泊まるのか?

参照:G20-Gipfel: Das Geheimnis um die Hotels von Trump & Co. - Kommunales - Hamburg Nachrichten - Hamburger Abendblatt

 

G20のような国際的に大きな会合があると気になるのが

「各国首脳はどのホテルに泊まるのか?」

ということだと思います。

 

情報を公開していない国やホテルもあるのですべてではありませんが、分かる範囲でまとめました。

 

※()内はホテルのある通りの名前です。

※宿泊先は安全保障上の理由で変更になる可能性もあります。

 

各国首脳の宿泊先

  • アンゲラ・メルケル(ドイツ首相)とその代表団:Atlantic Kempinski(an der Außenalster)
  • レジェップ・タイイップ・エルドアン(トルコ大統領)とその代表団:Sofitel(Alten Wall)
  • ウラジミール・プーチン(ロシア大統領):Park Hyatt(Bugenhagenstraße)またはLevantehaus (Mönckebergstraße) 
  • ジャスティン・トルドー(カナダ首相):Park Hyatt(Bugenhagenstraße)またはLevantehaus (Mönckebergstraße) 

各国代表団の宿泊先

  • 中国の代表団:Grand Elysée(Rothenbaumchaussee)
  • オーストラリアの代表団:Park Hyatt(Bugenhagenstraße)またはLevantehaus (Mönckebergstraße)  
  • サウジアラビアの代表団の一部:Westin(Elbphilharmonie内)
  • ブラジルとインドの代表団:Curio by Hilton Reichshof(Kirchen­allee)

 

アメリカのドナルド・トランプ大統領がどのホテルに泊まるのかは定かではありませんが

噂ではフォーシーズンズなどのハンブルク市内にある高級ホテルからは安全保障上の理由で軒並み宿泊を拒否され

結局ベルリンに泊まるのではないかという話です。

 

ベルリンでの宿泊先としては、Budapester StraßeにあるInterContinentalが有力候補のようです。

 

ハンブルクからベルリンまでは約300㎞ほどあるんですが、移動はヘリコプターでも使うんですかね、、、。

 

G20の期間中とその前後は、各国からのゲストが泊まるホテル周辺にも警察による警護が付くだろうし

もしかするとホテル周辺にセキュリティーエリアが設けられ、一般人の通行が禁止される可能性もあります。

 

稼ぎ時である週末なのに、ホテルやその周辺施設・レストランからしたら迷惑な話かもしれませんね。

 

とにかく無駄なトラブルを避けるため、G20開催期間とその前後は高級ホテルには近づかない方が良さそうです。

 

G20による市民への影響

ハンブルク市のウェブサイトを見ると「市のほとんどのエリアはG20の影響を受けない」と書かれていますが、、、

 

G20開催会場であるハンブルグ・メッセは街の中心に近い所にあるので

市内に通勤・通学している多くの人に影響を及ぼすのは必須ではないかと思います。

 

G20に対するハンブルク市民の反応 

2016年、ドイツ首相アンゲラ・メルケルにより「翌年のG20の開催場所はハンブルクである」という発表があった際は、多くの困惑の声が聞かれました。

 

各国の首脳が一堂に会するG20サミットでは、安全対策への多大な努力が必要となるからです。

 

「そんな重要な会議を、なぜドイツ第2の都市であるハンブルグで行うのか?」

というのが、大半のハンブルグ市民の声でした。

 

ハンブルク市はウェブサイト

「ハンブルクなどの大きな都市だけが、各国からの多数のゲストを受け入れるためのインフラ(ホテルなど)が整っているから」

という回答をしていますが

G20のために普段の生活が制限されるハンブルク市民にしたら、たまったものではありません。

 

以下、ハンブルク市のウェブサイトからG20に関する興味深いFAQを抜粋してみました。

(翻訳は意訳となります。) 

Wäre eine Videokonferenz nicht ausreichend?

In Videokonferenzen kann man Fakten austauschen. Nicht möglich ist das unmittelbare, ungezwungene Miteinander, in dem Ideen und Vertrauen entstehen. Eine Videokonferenz könnte diesen Charakter nicht bieten.

引用:Häufige Fragen zu G20 in Hamburg - hamburg.de

Q:ビデオ会談で十分ではないのですか?

A:ビデオ会談でも、現状を報告しあうことは可能です。ただ直接、お互いに自然な形でアイディアや信頼を生み出すことは、ビデオ会談では不可能です。

 

Bringt der G20-Gipfel 2017 Vorteile für Hamburg?

Hamburg wird für zwei Tage im Juli 2017 in den Blickpunkt der Weltpolitik rücken. Auch schon vor dem Gipfel werden internationale Delegationen und Journalisten in unsere Stadt kommen und Hamburg für sich entdecken. Dies bietet Hamburg Gelegenheit, seine Weltoffenheit und Gastfreundschaft international zu zeigen.

引用:Häufige Fragen zu G20 in Hamburg - hamburg.de

Q: G20を行うことにより、ハンブルク市になにかメリットはあるのですか?

A:2017年7月の2日間、ハンブルク市は世界政策を動かす注目の的となります。またサミット前にも国際的な派遣団や記者たちが私たちの街を訪れ、ハンブルク市を見ることになります。これはハンブルク市と世界との繋がりやおもてなし精神を世界に見せる絶好の機会となります。

 

うーん、、、。

 

元ハンブルク市民から言わせてもらうと

ハンブルク市のこの回答は、多大な不便を被るハンブルク市民には響かないと感じます。

 

たった2日間とは言えど、この2日間のために膨大な時間・金・人が費やされ

市民の普段の生活が大幅に制限される訳ですから。

 

G20をハンブルクで開催することによって利益を得る人(一体そんな人がどの位居るのか分かりませんが)を除き

「なぜもっと孤立された、市民の普通の生活や、経済活動が阻害されない場所で行うことが出来ないのか?」

という疑問は市民の中に当然あると思います。

 

実際、ハンブルグではG20反対デモも数多く起こっています。

 

オリンピック招致活動に見る、ハンブルク市民のG20に対する反応

参照:Hamburg withdraws bid to host 2024 Olympics - Telegraph

 

2016年、ハンブルクは2024年オリンピックのドイツ国内開催地に選ばれた経緯があります。

 

ベルリンとハンブルクが候補地として残り、ロビー活動の結果ハンブルクがベルリンに勝利したわけですが

その後、ハンブルグ市民にオリンピック開催候補地の是非を問う市民投票を行った結果

オリンピックに反対派が51.6%、賛成派が48.4%ハンブルクをオリンピック開催候補地にする案は白紙に戻りました。

 

市としては経済効果の大きいオリンピックをハンブルクに誘致したかったのでしょうが

実際にそこに住む市民は、オリンピックのハンブルク開催に反対する人が過半数を超える結果となりました。

 

オリンピックとG20はまた別物ですが

それでもハンブルク市民のオリンピックに対する姿勢は、ハンブルク市民がG20に対する姿勢と似ているのではないかと思います。

 

まとめ

今回は、G20という大きな国際会議を控えたハンブルクの現状について書きました。

 

私たちは今年の4月にハンブルクから田舎の方へ引っ越したのですが

2017年ハンブルクサミットの話題になるたび「いいタイミングで引っ越したね、、、。という話になります。

 

混乱が予想されますので、ハンブルク在住の方のは期間中はあまり市内には行かないのがベストだと思います。

とにかく、、、頑張ってください!

 

G20サミットは、まだ日本では開催されたことがありません。

 

このままG20が続いていけば、いつかは日本がG20のホスト国となる可能性はもちろんあるわけですが

日本での開催となると、一体どの都市が開催場所として選ばれるのでしょうね。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

おわり!