現在住んでいるドイツから、車でイタリアに来ていますが
ドイツからイタリアへ行く途中、スイスを通りました。
スイスにいる間にいろいろと思うことがあったので
今回はドイツ在住の私が考えるスイスという国について書きます。
EU圏からだとスイスは観光しにくい
島国の日本に比べ、ドイツは大陸内にあることに加えEU(欧州連合)に加盟しているので、EU圏内はとても観光しやすいです。
こちらの記事にも書きましたが
ドイツ免許を持ってれば、EU圏内は国際免許がなくてもドイツの免許証1つで運転できますし*1
何より通貨(ユーロ)が同じなので、お金を両替せずにそのまま使うことができます。 *2
一方、スイス。
ドイツ、オーストリア、フランス、イタリアなどのEUの国々に囲まれていますが、スイスはEUに加盟していません。
EUに加盟していないからか、ドイツからスイスを観光するのは不便だと感じました。
以下に理由をまとめました。
スイスが観光に不便な点①通貨
スイスでは独自の通貨「スイスフラン」を使用しています。
上にも書きましたが
ドイツからだとユーロをスイスフランに両替しなければいけないのが、他のEU圏を旅行する時に比べ不便だと感じました。
スイスが観光に不便な点②物価が高い
通貨が違うからという理由もありますが
例えば観光大国である隣国イタリアなどと比べるとスイスの物価は高いです。
例えばコーヒー。
場所にもよりますが、イタリアなら素晴らしく美味しい本場のカプチーノが1.5ユーロ(約190円)ほどで飲めますが
スイスだとカプチーノ1杯が5フラン(約565円)ほどします。
スイスが観光に不便な点③携帯電話
2017年、EU内のローミング料金が廃止されました。
以前はEU圏内といえど、国が違うと通話やネットの使用には膨大なローミング料がかかりましたが
2017年6月15日から、EU圏内であれば自国のプロバイダー料金で他国の回線を使うことができるようになりました。*3
これって、結構すごいことですよね。
特に車で旅行中は、ケータイのナビがローミング料なしで使えたのがとても便利でした。
一方、スイス。
スイスはEU圏ではないので、他国の携帯電話をスイスで使うとローミング料金が発生します。
実は私たちもスイスで、携帯電話のローミングに関してやらかしてしまいました。
私たちの車には音楽を聴くシステムがないので
車内で音楽を聴きたい時は、旦那の携帯に入っているSpotifyのアプリから音楽を聴いています。

Spotifyの無料プランはネットがないと音楽聴くことが出来ないのですが
何も考えずスイス国内を走っている間Spotifyで音楽を聴いていたら、3曲ほど聴いたところで
「60ユーロ(約7710円)のローミング制限を超えました。」
というメールが、契約しているドイツの携帯会社から届きました。
たった3曲聴くために、60ユーロを使ってしまった、、、!
EU圏内であるオーストリアでは全く問題なかったので、何も考えずに音楽を聴いてしまったんですが、、、やってしまった。
60ユーロのローミング制限があったからまだいいものの
制限なく、気がつかないまま音楽を聴き続けていたらどうなっていたことか、、、!
考えるだけで恐ろしい。
スイスが観光に不便な点④スイスの代わりになる国がある
スイスは素晴らしい国です。
特にアルプス山脈をはじめとする雄大な山々がとても魅力的。
ただ、上記の不便な点を考えるとスイスの代わりになる国はあります。
例えば、オーストリアやフランス、イタリアなどもアルプス山脈を有していますし
アルプス山脈、そして西ヨーロッパの最高峰モンブランは、フランスとイタリアの国境にあります。
フランスで見たモンブラン。「白い山」という意味だそうです。
ちなみに、スイスの印象が強いチーズフォンデュは、フランスやイタリアでも郷土料理として知られています。
私は人生初のチーズフォンデュをフランスで食べました。
山岳リゾート地としては、スイスの周辺国も負けず劣らず美しい。
それに加え、EU圏の国々は通貨も一緒だし、携帯電話もローミング料金なしで使えます。
スイスと同じくアルプス山脈有するオーストリアやフランス、イタリアといった国に比べると、スイスはEU圏からの観光客を遠ざけているように見えます。
それでもお金持ちの国、スイス。なぜスイスは裕福なのか?
スイスが観光に力を入れていないわけではないと思いますが
それでもほかのEUの国々に比べると、観光のしやすさは劣ります。
それなのに、スイスは世界で最も豊かな国の1つに数えられています。
観光が国力の全てではありませんが
それにしても大陸の中にあるこの小さな国が、これほどにも豊かなのは何故なのか。
調べてみると、どうやら銀行が関係しているようですね。
匿名性・守秘性の高さから、世界中のお金持ちがスイスに銀行を持ちたがるんだとか。(その守秘性の高さから、犯罪なんかにも使われているようですが、、、。)*4
あとスイスは税率が低く、金持ちが多く引っ越してくる、なんていう話も聞きました。
スイスにはスイス流のお金の稼ぎ方があって、EU圏の観光客はそれほど重要ではないのでしょうね、、、。
1つの国に4つの言語がある国
スイスにはドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つの公用語があります。
地方によってドイツ語、イタリア語、フランス語のエリアがあるのは知っていましたが
実際に経験するのはとても奇妙な感じでした。
オーストリアから小国リヒテンシュタインを通ってスイス入りした私たちは、まずドイツ語が話されているエリアを通りました。
私たちは高速道路の料金(ヴィニエッテ)をケチったので一般道を通って行ったんですが
道にあるサインや広告もすべてドイツ語。
ところが、スイスの南東にあるザン・ベルナルディーノという大きな峠を越えたところから、国は同じなのに話される言葉がイタリア語にガラリと変わりました。
道の標識もイタリア語に。
パトカーに書かれている「警察」の表示も、ドイツ語のPolizeiからイタリア語のPoliziaに。
人々が話す言葉もドイツ語から母音の強いイタリア語に取って代わられていました。
(とは言ってもドイツ語の表示も所々に見られ、住民もドイツ語が話せる人も多かったです。)
国=民族なら、スイスの存在意義は?
1つの国で複数語を話す国はたくさんあります。
むしろ日本のように1つの国に1つの言葉という方が珍しいです。
ただ、日本人の私からすると
言葉は民族の象徴であり、国=言葉=民族という考えが強いので
違った言語を話す地域を持つスイスがひとつの国として存在する意味がよく分かりませんでした。
ドイツ語圏はドイツ
イタリア語圏はイタリア
フランス語圏はフランスに属すれば問題ないのではないかと。
(かなり雑な言い方ではありますが、、、。)
また、スイスから国境を通りイタリアに着いた際
スイスとイタリアの国境の位置に違和感を感じました。
私たちはマッジョーレ湖という大きな湖沿いでスイスからイタリア入りしたんですが
スイスとイタリアの国境は、このマッジョーレ湖を横切るように引かれていました。
スイスとイタリアの国境線があるマッジョーレ湖。
マッジョーレ湖畔を走っていると、突如として現れる国境の検問所。
写真の左側に見えるのがマッジョーレ湖です。
ドイツ語圏から大きな山を越えてイタリア語圏に来た後では
「あの大きな山が国境でも良かったのでは、、、?」
なんて思ってしまいました。
きっと歴史上いろいろあって今の国境線が引かれるに至ったんでしょうが、、、。
どうも腑に落ちない感じでした。
イタリア語圏に住むスイス人がどう思うかはさておき
スイスのイタリア語圏は、雰囲気や人や文化などはイタリアにとても似ていました。
まとめ
今回は
スイスという国について思ったことをまとめました。
スイスに来るのは2回目なのですが、とても不思議な国です。
個人的には
スイスを旅行するのは(主に物価の面で)あまり好きではありません。
人もいい人が多いし、素晴らしい所はたくさんあるんですけどね、、、。
それよりも、その先にある大好きなイタリアにどうしても気持ちが急いでしましました。
スイスの次に行ったイタリアについては、こちらの記事から↓
おわり!