ドイツで妊娠・流産後、次の妊娠に向けて色々と準備を行っています。
その中でも1番やりたかったのが、風疹(ふうしん)の予防接種。
無事に予防接種を受けてきたので、今回の記事では
ドイツでの予防接種の受け方(大人向け) について書いていきます。
妊娠前に風疹の予防接種を!
私は恥ずかしながら、自分が妊娠するまで知らなかったんですが
妊婦が風疹にかかると、赤ちゃんに障害が残る可能性があります。
妊婦が風疹にかかり、胎児が「先天性風疹症候群」を持って生まれると
- 難聴などの耳の病気
- 白内障や緑内障などの目の病気
- 心疾患
- 精神や身体の発達の遅れ
などの障害が出ることがあります。
そして風疹が怖いのは
胎児への感染率の高さ。
妊娠初期にかかるほど赤ちゃんが障害を持って生まれる頻度が高い のが特徴です。
<妊婦が風疹に罹った際の先天性風疹症候群発生率>妊娠4~6週=100%妊娠7~12週=80%妊娠13~16週=45~50%妊娠17~20週=6%妊娠20週以降=0%
妊娠20週(5ヶ月)以降なら問題ありませんが、特に妊娠6週目までは100%の確率で赤ちゃんに障害が発生します。
し、知らないって恐ろしい、、、。
先天性風疹症候群にはそれ自体の治療法がない そうなので、妊婦が風疹に罹らないことが一番。
そして風疹は予防接種で防げる病気。
なので妊娠を希望する場合は女性も男性も風疹のワクチン接種をするべきなのですが
風疹の予防接種は、世代によっては受けていないこともあるんだとか。
以下は風しんワクチン接種状況について、厚生労働省のサイトからの引用です。
【昭和37年4月1日以前生まれの男女】定期接種が行われていませんでしたが、大半の人が自然に風しんに感染することで免疫があります。【昭和37年4月2日~昭和54年4月1日以前生まれの男性】
中学生の時に女性のみを対象として学校で集団接種が行われていたため自然に風しんに感染する機会が減少しましたが、男性は定期接種制度が行われていないので風しんの免疫がない人が多い世代です。【昭和54年4月2日~昭和62年10月1日生まれの男女】
男女とも中学生の時に予防接種を受ける対象になっていましたが中学生のときに個別に医療機関で予防接種を受ける制度であったため、接種率が低く風しんの免疫がない人が多い世代です。【昭和62年10月2日~平成2年4月1日生まれの男女】
男女とも幼児のときに予防接種を受ける対象となり接種率は比較的高いのですが、自然に風しんに感染する機会がさらに減少したため接種を受けていない人には風しんの免疫がない人が比較的多い世代です。
私は昭和63年生まれの30歳ですが、風疹のワクチンを接種したことも風疹にかかったこともありません。
それゆえ、妊娠発覚直後の血液検査で「風疹の抗体を持っていない」と診断されました。
ドイツで予防接種を受ける方法
、、、前置きが長くなりましたが。
風疹に関しての情報を妊娠中に知ったのと、現在日本で風疹がプチ流行中だということで
流産後、次の妊娠のために風疹の予防接種を受けることにしました。
以下からは、実際にドイツで予防接種を受ける方法 について書いていきます。
私は風疹の予防接種を受けに行ったのですが、結局別の予防接種も受けることになったので
以下からは風疹だけでなく、基本的な予防接種ワクチンの受け方についても書きます。
ドイツでの予防接種は「かかりつけ医(Hausarzt)」へ!
ドイツでの予防接種は、かかりつけ医(Hausarzt)で受けることができます。
特に妊婦が気を付けなければいけない風疹の予防接種も、実際に行うのは産婦人科ではなくかかりつけ医です。
まずはかかりつけ医(Hausarzt)で予約を取ろう
予防接種を受けるには、まずかかりつけ医にて予約を取る必要があります。
「ドイツのHausarztのシステムってよく分からない!」
「まだかかりつけ医がいない!」
という方も、もしかしたらいるかもしれませんが、、、
大丈夫です。
ドイツ在住7年目になる私も、つい先日予防接種を受けに行くために初めてHausarztにかかりましたから。
まずはとりあえず、「自分の住んでいる街の名前 + Hausarzt」でググってみてください。
そして家から近くてレビューの悪くなさそうなHausarztに電話で予約を入れてください。
Hausarztは、その他の専門医(産婦人科とか皮膚科とか)に比べるとよっぽど予約が取りやすかったです。
ドイツで予防接種を受ける際に必要なもの
ドイツで予防接種を受ける際には、あなたが以前受けた予防接種の情報 が必要となります。
日本で生まれ育った方であれば、あなたの母親が持っている(であろう)母子手帳に、あなたが受けた予防接種の詳細が記載されています。
ドイツで予防接種を受ける時もこの母子手帳の予防接種ページの情報が必要となりますが
私は日本にいる母に予防接種のページの写メを送ってもらい、その写真を印刷したものに自分でドイツ語訳を付けて持っていきました。
↑こんな感じ。
全くオフィシャルに見えませんが、これで大丈夫でした。
、、、まぁ、これがなくても予防接種はしてもらえるとは思いますが
血液検査などの余計な手間と時間がかかると思われるので持って行った方がいいかと。
↓母子手帳を翻訳する際に役立つ単語一覧
- ツベルクリン=Tuberkulin
- BCG接種=BCG
- 百日ぜき=KeuchhustenまたはPertussis
- ジフテリア=Diphtheria
- 破傷風=Tetanus
- 急性灰白髄炎(ポリオ)=Polio
- 麻しん(はしか)=Masern
- おたふく風邪=Mumps
- 日本脳炎=Japanische Enzephalitis
これらの名称と、受けた日付をドイツ風に書き直せばオッケーです。
かかりつけ医で予防接種を受ける際の流れ
母子手帳の予防接種ページの翻訳を用意したら、かかりつけ医に予約を取ります。
かかりつけ医では「予防接種を受けたい」旨を伝えます。
私は
「妊娠を希望しているが、風疹の抗体がないので風疹の予防接種を受けたい」
と伝え、母親手帳(Mutterpass)の風疹の抗体に関するページを見せました。
↑母親手帳のページ
↑風疹の抗体を持っていなかったので、「Röteln-Antiköpertest(風疹抗体テスト)」の欄に書かれた「免疫なし」の文にマーカーが入れられています
風疹の予防接種だけ受ける予定だったのですが、母子手帳のコピーを先生に見せると
「期限が切れてる予防接種があるじゃない!今日全部まとめて打ってあげるから!」
と言われ、その日のうちに風疹・はしか・おたふく風邪の3種類のワクチンを一度の注射でいっぺんに打ってくれました。
予防接種って、効果があるのは打ってから10年くらいなんだとか。
うーん、知らなかった、、、。
無事ワクチンを打ってもらったら、「Impfbuch」と呼ばれる黄色い予防接種手帳をもらいます。
↑表紙
↑ワクチンの種類と、受けた日付が記載される
これは日本でいう母子手帳の予防接種ページの代わりになるものなので、大切に保管して下さい。
また、もし既に持っているようであれば予防接種を受けに行く時に必ず持っていきます。
予防接種後の注意点
予防接種を打った後、注意点(例えば「今日はお風呂に入っちゃダメ」とか「アルコール・激しい運動は控えるように」とか)は特に何も言われませんでした。
ただ妊娠に関しては、予防接種後2ヶ月間ほどは待つように と言われました。
風疹のワクチンを接種して2ヶ月以内に妊娠しても先天性風疹症候群が起こることはないようですが、、、
先生が言うんだから、念のためしばらく妊娠は控えた方が良さそうですね。
予防接種は保険適用になるか?
ドイツの子どもが受けるような基本的なワクチンであれば、保険適用になるようです。
私も今回の予防接種は無料で受けられました。
ただし!
旅行などの目的で予防接種を受ける際は、保険が効かないようなので注意。
私は2年前、初めてタイに行く際にかかりつけ医ではなく「予防接種センター」という所で予防接種についての相談をしに行ったのですが、その時は普通にお金が掛かりました。
その時受けたワクチンは
- 破傷風
- ジフテリア
- ポリオ
- 百日ぜき
- A型+B型肝炎
と基本的なものばかりだったのですが、70~100€ほど取られました、、、。
A型+B型肝炎のワクチンについては2回打ったので、料金も2倍。
今思うと、かかりつけ医に行っていれば無料で受けられたっぽい、、、。ぐぬぬ。
もちろん、狂犬病や黄熱病などの風土病の類のワクチン接種はもともと保険適用外 だとは思いますが。
とにかく、予防接種をお考えの際はまずかかりつけ医に相談に行くことをオススメします。
まとめ
今回の記事では
ドイツでの予防接種の受け方 について書きました。
ドイツで予防接種を受けたのは2回目ですが、とにかくかかりつけ医でなら保険適用内で受けられる というのが驚きでした。
日本だと、風疹などの任意ワクチンはお金かかりますもんね、、、。
今回初めてかかりつけ医に行ったのですが
「7年もドイツに住んでいて、なぜもっと早く行かなかったのか、、、!」
と思いましたよね。
かかりつけ医って日本にはないシステムなので嫌厭してたんですが、、、
予約は取りやすいし、先生は優しいし、処置も非常に迅速で大変良かったです。
そしてなんたって無料ですからね。
みなさんも、予防接種はお早めに!
妊娠希望の方は特に!
おわり!