ドイツ在住6年目となります。
旦那は元ヒッピーの自然大好きボーイ(おじさん)なのですが
そんな旦那は現在ストリートミュージシャンとして活動しています。
ドイツのみならずヨーロッパの国々でバスカーとして活動しているのですが
移動手段兼宿泊場所として利用しているのが、車。
以前ニュージーランドに住んでいた時もしょっちゅう車内泊をしていたので、旦那は車内泊のプロとも言えます。
(NZでのフリーキャンピングは、年々規制されつつありますが、、、。)
そんな車内泊歴10数年の旦那の影響で、インドア派だった私も車内泊をよくするように。
ヨーロッパではキャンピングカーでの旅行が非常に一般的ですが
私達はキャンピングカーを持っていないので、車内泊用に改造したバンであちこち車内泊をしています。
そんなわけで、今回の記事では
ヨーロッパでの車内泊 について、私達のやり方をまとめました。
車の種類
現在使用しているのはオペルのヴィヴァーロという車です。
レノーと共同開発のバンです。
2年前に中古で買った車で、以前は水道屋さんがなにかが商業用に使っていた車のようです。
この車を選んだ理由は、主に2つ。
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ガソリンとLPGガスで動く
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窓が少ない
ドイツではLPGがガソリンより安いので、燃料代が安く済むというのがこの車を選んだ1つの理由。
もう1つの「窓が少ない」というのは、車内のプライベートを守るためです。
以前ニュージーランドにいた時はトヨタのハイエースを使っていたのですが
寝る時は結局窓にカーテンを付けるので
「だったら別に窓はなくてもいいんじゃないか」ということで窓無しの車を選びました。
現在のところ、車内後部に窓がなくても特に問題はありません。
夏に暑い所でキャンプする際は少々暑いですが、、、
そういう場所には蚊もいたりするので、結局窓は開けられない場合が多いです。
車内の改造
車の購入後、キャンパーバンとして利用するために車内を大幅に改造しました。
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フロントとバックを仕切る壁を外す
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天井と側面に断熱材を入れ、その上から板を貼る
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床に板を敷きリノリウムを入れる
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ベッドと棚を作る
フロントとバックを仕切る壁を外す
以前はフロントシートと荷台の部分を仕切る壁があったのですが、まずはこの壁を取り外しました。
そうすることにより、一旦外に出なくても車内を移動できるようになりました。
天井と側面に断熱材を入れ、その上から板を貼る
直射日光の当たる場所に車を置いておくと、車内がとんでもない温度になりますよね。
車の中が極端に暑くなるのを防ぐため、車内の天井と側面に断熱材を入れて、その上から木の板を貼りました。
車内天井の様子。
この木の板の下に、断熱材が入っています。
直射日光の当たる場所に停めておくと車内が猛烈な温度になるのはあまり変わりませんが、、、
それでも、温度変化には少しだけ役に立っているようです。
寒い夜でも、窓を閉めておけば昼間の暖かい空気をいくらか保っておくことが出来ます。
床に板を敷きリノリウムを入れる
改造前は車の外側と同じような床でしたが、その上に木材の板を敷いてその上からリノリウムを敷きました。
後部の床はご飯を食べたり、私がいる時は私のマットレスを敷くことにもなるので、ある程度快適な床を入れることは重要でした。
ベッドと棚を作る
床と壁、天井の改造が終わったら、車内にベッドと棚を作りました。
ベッド↓
食品類用の棚↓
洋服用の棚↓
すべて木材での自作です。
旦那の仕事道具(ギターやアンプ、カホンなど)の収納のため、特にベッドの大きさや高さにはこだわりました。
ベット下の収納には、旦那の仕事道具がピッタリと収まります。
その他、ベッドの下には食品などを入れておく隠れ収納スペースも。
マットレスを持ち上げると現れる、収納スペース。
寝る時のセットアップ
備え付けたベッドは1人用です。
基本的には車内泊をよくする旦那がベッドで寝て
私も付いて行く場合は小さめの折りたたみマットを床に敷きます。
少々狭いですが、、、まぁ、寝られないこともない。
寝ていない時、マットレスは棚の上に収納。
寝る時用に、枕と寝袋を持って行きます。
寝袋は、旦那と私で各2つずつ。
プラス色々と着込んで寝れば、0℃くらいの気候でも寝ることが出来ます。
一応、予備の毛布も1枚持っていきます。
(普段は私のマットレスの上に敷いて寝ています。マットレスが薄くて背中が痛くなるので、、、)
換気について
窓を閉め切ったまま寝ると、呼吸による蒸気で窓が曇ってしまいます。
就寝中の結露を防ぐため、窓に取り付ける換気窓を買いました。
私達が持っているのは、ヴィヴァーロの窓にピッタリと合う換気用のアクセサリー。
取りつけるとこんな感じ。
窓に挟んで使うので、防犯もバッチリ。
運転席と助手席の窓用に2つありますが、普段は寝る前に1つだけ取り付けて寝ています。
調べてみると、窓に取り付ける換気扇というのもあるようですね。
これはなかなか良さそう、、、!
ソーラーパワーで動くというのも、ポイント高し。
室温調整
寒い時
夏の北ヨーロッパの場合
夜は涼しくなることが多いのですが、寝袋が2つ+着るもので大体は調節できます。
ただし、春や秋は車内と言えどものすごく冷える。
車内が冷える時は、車の暖房を使って室温調整をすることもありますが
車が止まっている時はキャンドルやガスランタンを焚いて室内を暖かくします。
コールマン(Coleman) 2012-03-26
室内に貼り付けた断熱材のおかげで、少しの火でも車内は暖かくなります。
ただもちろん寝る時には消すので、寝袋と暖かい服装は必須。
(ちなみに、冬は車内泊はしません。
ものすごくしっかりした暖房設備のあるキャンピングカーでない限り、ヨーロッパの冬の車内泊はオススメできません、、、。)
暑い時
暑さ対策に関しては、残念ながら窓を開けるくらいしか対策がありませんが、、、
ヨーロッパには熱帯夜というのがそうそうないので今のところ何とかなってます。
ただ、夏にイタリアやクロアチアに行った時は寝苦しかった、、、。
車内泊をする場所
ヨーロッパには道の駅という便利な場所がないので、車内泊は基本的に自然の中ですることが多いです。
キャンプ場に泊まることもありますが、基本はフリーキャンピング。
その際に注意しなくてはいけないのが
「人の邪魔になる場所に車を停めない」
ということ。
もちろん、人の土地やキャンプ禁止サインがある場所にも停めません。
キャンプ場所としては、人がいなくて景色の美しい水際がベストですが
特に夏場は海沿いや川・湖沿いは人がたくさんいてキャンプできないことも。
その場合は内陸や山の中に入ります。
防犯について
車を停める場所を選ぶ際にもう1つ気を付けたいのが、防犯。
比較的治安の良いヨーロッパでも、犯罪に巻き込まれる危険は0ではありません。
特に、パーキングエリアでキャンプをする場合。
寝ている間に車の隙間から催眠ガスを入れられて、持ち主がぐっすり眠っている間に車をこじ開けて車内の物を取るといったような盗難の手口もあるようです。
私達は幸いまだ被害に遭ったことはありませんが、特に人気のない高速のパーキングエリアでは極力車内泊はしないようにしています。
洗面
うちの車はバンにベッドを取り付けただけなので、当然トイレやシャワーは付いていません。
トイレ
ではどうするのかというと
トイレに関しては自然の中でします。
いわゆる野ション、野グソですね。
公共のトイレがあれば使うし、街中にいればショッピングモール内のトイレを利用することもありますが
ヨーロッパには日本のコンビニのようにトイレをタダで使わせてくれる施設はほとんどありません。
というわけで必然的に、車内泊をする場合は自然の中で済ませることが多くなります。
注意点としては
人の通る場所でしてはいけないということ。
ま、当たり前ですよね、、、。
人の立ち入らない木陰や藪の中でサッと済ませます。
トイレットペーパーは使わないのがベストですが
使う場合、使用後はゴミ箱に捨てます。
特にドイツ人の女性は使用済みのトイレットペーパーをそのまま地面に捨てる人もいるのですが、、、
自然に良くないし、見た目も汚いので私は絶対にしません。
野ションも慣れればどうってことはありませんが、問題は大の方。
野グソに関しても自然の中で済ますのは変わりませんが
大の場合は絶対に人が入ってこないような森の奥まで行って済ませます。
スコップなどで穴を掘って、その中に用を足し、終わったら埋めます。
まぁ私は、余程のことがない限り野グソはしませんが、、、。
ほとんどの場合、ちゃんとしたトイレがある場所に行くまで我慢することが多いです。
シャワー
公共のあるシャワー施設は、トイレを見つけるより難しいです。
というか、ほとんどありません。
シャワーに関してはどうするかというと、夏の場合は川や海、湖などで泳いで済ませています。
どうしてもちゃんとしたシャワーを浴びたい場合は、お金を払ってキャンプ場に行くか、プールなどの施設に行きます。
少々汚いのは否めませんが、、、旅行中と割り切っています。
ニュージーランドにいた頃は野外で使えるポータブルシャワーを使ったこともありますが
SANPERCY
現在は持ってないので使っていません。
洗濯
洗濯に関しては
下着などの小さいものなら、トイレに行った時に洗面所でサッと手洗いしてしまうことも。
ただ基本的には服を多めに持って行って、家に帰ってからまとめて洗濯という場合が多いです。
水泳後などに使ったタオルは、生乾きの匂いを防ぐため車内の物干し用ロープに掛けておきます。
食事
食事については外食をすることもありますが
基本的には物価の安いドイツのスーパーでたくさん買い物をして持って行き、車内で自炊することが多いです。
【自炊例その1】ステーキとコーンとサラダ
【自炊例その2】ラビオリとパスタソース、サラダ
【自炊例その3】イタリアに行った時に。旬のメロンと生ハムで、生ハムメロン
調理器具
車内泊をする際に必ず持っていく調理器具は、以下の通り。
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ヨコ置きのガスストーブ
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タテ置きのガスストーブ×2
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ポット
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フライパン
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小さめの木製まな板×2
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火にもかけられるカップ×2
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普通のカップ×2
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エスプレッソマシーン
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ボウル×2
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大きめのボウル
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ナイフ・フォーク・スプーン各2本
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木ベラ
調理の基本となるガスストーブは3つ積んでます。
以前は場所を取らずガスの消費も少ないタテ置きのガスストーブのみを使っていたのですが
ソト(SOTO) アミカス コンパクトストーブ SOD-320 キャンプストーブ OD缶用 シングルバーナー キャンプ ガス バーナー 火力が強い ソロキャンプ ツーリング BBQ 登山アウトドア 収納ケース付き 折り畳み式 防風
posted with カエレバ
ソト(SOTO) 2015-04-30
以前旦那が使用中に火傷してしまってからは、ヨコ置きのガスストーブも使うようになりました。
イワタニ(Iwatani)
旦那がガスストーブで火傷した話↓
ヨコ置きのガスストーブは場所を取るし、ガスの消費も早いのですが
料理をするにはこちらの方が適しています。
以前は作るのに時間がかかったり火力が弱くて失敗していたお米やパスタも、ヨコ置きのガスストーブなら時間をかけずにきちんとしたものが作れるようになりました。
使い方としては、料理にはヨコ置きのガスストーブを。
コーヒーを作ったり料理のサブとして、タテ置きのガスストーブを使っています。
その他の調理道具としては、木製のまな板はあると便利です。
お皿代わりとして使ったり、調理後の熱いポットやフライパンを置いておくこともできます。
食材
特に物価の高い北欧に行く際は、以下のようなものをドイツから買い込んで持って行きます。
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保存のきく固パン
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パンに塗るもの(ジャム、ピーナッツバター)
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パスタ
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米
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インスタントヌードル
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パスタソース
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缶詰(ベイクドビーンズなど)
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コーヒー
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豆乳
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ミューズリー
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調味料(油、塩、醤油、ケチャップなど)
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お酒
数日で使い切ることを前提にした新鮮な食材の他に、以上のものは必ず持って行きます。
主に保存の効く食材ですね。
車内の温度変化にも耐えうるものを持って行きます。
お酒に関しては、ドイツ国内だとバカみたいに安く買えるので持って行きますが
国境を越える際に税関に引っかからない範囲で買い込んで行きます。
(ただし、ワインに関してはイタリアなどの原産国で買った方が安い。)
水
車内泊で忘れてはいけないのが、水。
飲み水としてはもちろん、近くに水道がない場合は料理や歯磨き、洗顔などにも使います。
ヨーロッパは水道水が安全な場所が多いので、10リットルのウォータータンクを持って行って現地で給水します。
尾上製作所(ONOE) 2012-03-08
10リットルあれば、節約すれば5日間ほどは何とかなります。
が、普段は2日に1回くらい給水してます。
水タンクの収納は、こんな感じ。
これもタンクの形に合わせて作りました。
その他、車内泊にあると便利なもの
ブランケット
ブランケットは、地面に直接敷いてレジャーシートの代わりとして使います。
私達の使っているブランケット。
広げると2mほどあります。
車内が狭いので、外にも快適に座れる場所や物を置いておくための場所があると便利です。
寒い時には毛布代わりに使ったり羽織ったりと防寒に使うこともできます。
もちろんレジャーシートで代用もOKです。
キャンピングチェア
大きなキャンピングカーと違い、私たちのバンには座る場所がないのでキャンピングチェアもあると便利です。
キャンピングチェアにドリンクホルダーは必須。
コールマンのこれは、ドリンクホルダーが2つ+背面にポケット付きですごく良さそう。
ただキャンピングチェアは折り畳み可能と言えど場所を取るので、持っていくのは1つだけ。
1人はキャンピングチェアに座り、もう1人はサイドドアを開けた車内に座ります。
ウェットティッシュ
車に積んでおける水の量が限られているため、ウェットティッシュも必需品。
手洗いの代わりに使うほか、料理後の車内の床掃除にも。
トイレットペーパー
野外でトイレを済ます際にも使いますが、そもそも公衆トイレにトイレットペーパーがないこともあるので、常備しておくと助かります。
トイレットペーパーは、ティッシュやキッチンペーパーの代用品としても大活躍。
料理が終わった後のフライパンの汚れを洗う前にトイレットペーパーで拭き取ると、食器洗いに使う水の量が少なく済みます。
小さなほうき
小さなミニほうきも、車内の床の掃除用。
棚の横に掛けておけば場所も取りませんし、使いたい時にサッと使えて便利です。
まとめ
今回の記事では
ヨーロッパでの車内泊 について、私達のやり方をまとめました。
ヨーロッパと日本は環境が異なるので、車内泊のやり方もまた違います。
特にコンビニや道の駅といった便利なものがヨーロッパにはないので、トイレやシャワーは一苦労。
(もちろん、トイレやシャワーの付いたキャンピングカーを持っていれば話は別ですが、、、)
大きくて快適なキャンピングカーに憧れがないわけではないですが
どこにいても目立ってしまうキャンピングカーは、フリーキャンピングには不向きなんですよね、、、。
トイレやシャワーなどで不自由な点もありますが
フリーキャンピングでしか体験できない楽しいことがたくさんあるのも事実。
まぁ、もし子供ができたら今のワイルド車内泊にも限界が訪れる日が来るのかもしれませんが、、、。
長くなりましたが、読んでくださりありがとうございます!
おわり!