以前、ハンブルクにある日本食レストランで働いていました。
忙しいレストランで、予約で席が埋まることもしょっちゅうだったんですが
レストランを予約する際、よほどのことがない限り本名で予約しますよね?
レストランの予約表でいろいろな名前を目にしてきたんですが
今回の記事では、その中でも特に面白いと思ったドイツの苗字を紹介します。
ドイツでよくある苗字トップ3
参照:https://de.wiktionary.org/wiki/Verzeichnis:Deutsch/Liste_der_h%C3%A4ufigsten_Nachnamen_Deutschlands
https://myoji-yurai.net/prefectureRanking.htm?prefecture=%E5%85%A8%E5%9B%BD
まずは準備運動として
「ドイツでよくある苗字トップ3」を紹介します。
1位:Müller(ミュラー)
ドイツに1番多い苗字の栄えある第1位輝いたのは、ミュラーさん。
ミュラーさんはドイツ全土に約27万人いるそうです。
確かにミュラーさんは多くて
レストランでも1日に2組のミュラーさんが予約してるなんてこともありました。
一緒の時間帯に予約してたりすると
「2名でご予約のミュラーさんですか?4名でご予約のミュラーさんですか??」
ってなります。
ミュラーと言えば
バイエルン・ミュンヘン所属でドイツ代表選手でもあるやんちゃボーイ、トーマス・ミュラーが有名です。
ちなみに
ドイツで1番よくある苗字であるミュラーさんは
日本だと、1番よくある苗字ランキング1位の佐藤さんに当たります。
佐藤さんはなんと、全国に約189万人いるそうです。
えっ、佐藤さん多くない!?
ドイツのミュラーさん約27万人がものすごく小さく思えるほどの
佐藤さんの圧倒的な数の暴力。
2位:Schmidt(シュミット)
ドイツに多い苗字第2位は、シュミットさん。
シュミットさんはドイツに約19万人ほどいて
日本だとよくある苗字ランキング2位の鈴木さん(約181万人)に当たります。
シュミットと言えば
旧西ドイツ元首相のヘルムート・シュミットが(ドイツ国内では)有名です。
彼は愛妻家、そしてちょっと異常なまでの愛煙家としても知られ
テレビ番組に生出演中もタバコを手放さずヒンシュクを買ったというエピソードも。
ヘルムート・シュミットは2015年に亡くなったんですが
ハンブルク出身だったことから、現在ハンブルク空港は「ヘルムート・シュミット空港」とも呼ばれています。
マメ知識。
3位:Schneider(シュナイダー)
ドイツに多い苗字第3位は、シュナイダーさん。
シュナイダーさんはドイツに約12万人ほどおり
日本だとよくある苗字ランキング第3位の高橋さん(約143万人)に当たります。
シュナイダーと言えば、、、、、
全く誰も思い浮かびません。
がんばれ、シュナイダー。
※追記
2人の方から
「シュナイダーと言えばカール・ハインツ・シュナイダー君がいるだろ!」
とのご指摘を受けました。
「誰だろう?」と思って調べてみたら
キャプテン翼に登場するドイツ人選手だそうです。
引用:http://99luftballons.seesaa.net/article/396186539.html(キャプテン翼より)
「ドイツの若き皇帝」「ミスター・ヨーロッパ」の異名を取る彼は
かなり優秀な選手のようです。(そしてイケメン。)
ハンブルガーSVからバイエルン・ミュンヘンに移籍した経歴の持ち主。*1
彼がハンブルクに残ってくれていたら、ハンブルクの知名度ももっと上がっていただろうに、、、!
他にも調べてみたら
クルト・シュナイダーという精神医学の研究者が出てきました。
主に統合失調症の診断に関する著述で知られるそうです。
心理学を勉強したことがある人は、知ってたりするのかな。
ドイツには職業に関する名前が多い
ドイツによくある名前ランキングを見ていて面白いと思ったのが
上位20位中13個が職業に関する名前だったこと。
上で紹介したトップ3に限っては、すべて職業に関する名前です。
1位:Müller(ミュラー)=粉屋
2位:Schmidt(シュミット)=鍛冶屋
3位:Schneider(シュナイダー)=仕立て屋
英語でもスミス=鍛冶屋ですが
ドイツ語の苗字も同じ感じですね。
その他にも
4位:Fischer(フィッシャー=漁師)さんとか
12位:Koch(コホ=コック)さんとか
13位Bauer(バオアー=農民)さんとか
14位:Richter(リヒター=裁判官)さん
などの職業に関係のある苗字が、よくある名前ランキングにランクインしていました。
自分の苗字が職業に関するものだと
将来の夢を考える時も、何となく自分の名前を意識しちゃいそうですよね。
その他、職業(?)に関する名前だと
König(ケーニヒ=王様)さんや、Kaiser(カイザー=皇帝)さんなんていう苗字がそれぞれ37位と41位にランクインしていたんですが、、、、
「王様に、オレはなる!」
、、、ってなっちゃうのかな、Königさんとかは。
大学の就活センターとかハローワークとかで
「私はKaiserといいますが、皇帝とか向いてると思うのでそういう職紹介してください。」
ってね。
なっちゃうのかな、Kaiserさんあたりは。
、、、、、いや、ならない。(←反語)
著名なドイツ人であるF1ドライバーのミハエル・シューマッハや
作曲家のヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナーも職業に関する苗字の持ち主ですが
名前とは全然関係ない職業に就いて大成功しています。
※シューマッハ(Schuhmacher)=靴職人
ワーグナー(Wagner)=車大工
ドイツで見かけた面白い苗字
、、、、、前置きが長くなりましたが。
ここからが本題です。
ドイツで見かけた面白い苗字を、画像付きで紹介します。
ニンニクさん(Knoblauchクノーブラオホ)
「臭そう」とか
「元気ありそう」とか
あらぬ疑いを持たれそうな名前です。
ちなみに
私が会ったKnoblauch(クノーブラオホ)さんは臭くもないし、元気モリモリでもありませんでした。
日本名だとニンニク太郎なんてことになりかねないわけですが
、、、なんか、駄菓子にありそうな名前だな。
チビさん(Kleinクライン)
Klein(クライン)は日本語で「小さい」という意味で、日常でもよく使われる単語です。
Kleinは「(背が)小さい」という意味でも使われるので
日本語だとチビさん。
背が高いと「Kleinなのにでけぇなぁ!」って言われそうだし
背が小さくても「さすがKlein!小さいわw」とか言われそう。
デブ男さん(Dickmannディックマン)
Dick(厚い、太い)+Mann(男、夫)という2つの単語が合わさって、デブ男さん。
ご先祖さんがぽっちゃり系、、、だったのかな?
髭さん(Bartバールト)
髭さんが
女性だったら、悲しい。
ネットで調べてみたら
髭さん(Bart)だけでなく、なんとうーんこ髭さん(Kackebartカッケバールト)なんていう名前もありました。
カッケはスラングとしてよく使われる言葉で
英語のSから始まる4文字の言葉と同じ意味です。
ビールさん(Bierビーア)
ビールさん。
予約表にこの名前を見た時は、ちょっと笑ってしまいました。
ちなみに、ビールさん本人に聞いてみた所
「ビールよりも日本酒の方が好き!」
だそうです。
ビールさんよ。
それならもう日本酒さんになっちゃいなよ、、、!
私はビールさんは1回しか見たことないんですが
調べてみると、ビール関係の名前は結構たくさんあるようです。
例*2を挙げると
良いビールさん(Gutbierグートビーア)
苦いビールさん(Bitterbierビッタービーア)
酸っぱいビールさん(Sauerbierザオアービーア)
新鮮なビールさん(Frischbierフリッシュビーア)
温かいビールさん(Warmbierヴァルムビーア)
ひとくちビールさん(Schluckebierシュルックビーア)
ビール調理師さん(Bierkochビーアコッホ)
ビール喉さん(Bierhalsビーアハルス)
ビールっ歯さん(Bierzahnビーアツァーン)
チーズビールさん(Käsebierケーゼビーア)
ビール友達さん(Bierfreundビーアフロイント)
ビールショックさん(Bierschockビーアショック)
、、、、、、、。
ビールが有名なドイツと言えど
名前にビール付ければいいってもんじゃない。
天使さん(Engelエンゲル)
「天使!?良い名前じゃん!」と思われるかもしれませんが
この名前で絶対悪い事出来ない。
【容疑者】天使太郎
とか。絶対見たくない。
悪魔さん(Böseベーゼ)
、、、かと言って、悪魔さんが良いかと言うとそういう訳でもない。
悪魔関連の名前は他にも
女悪魔さん(Frauböseフラオベーゼ)
悪魔男さん(Bösemannベーゼマン)
などがありました。
性別が加わると、更にややこしい、、、。
イケメンさん(Hübschヒュプシュ)
こちらの名前は
名前によって人生の難易度が上がるパターンです。
Hübsch(ヒュプシュ)は、日本語で「きれいな」「かわいい」「イケメン」という意味です。
かわいい花子。
イケメン太郎。
いやね?
名前と顔がケンカしてなければいいんですよ?
ただ、そうじゃなかったら人生超絶ハードモード。
まとめ
今回の記事では
ドイツで見かけた面白い苗字を、画像と共に紹介しました。
もっとあったんですが、画像を作るのがめんどくさくてやめました。
え?画像要らなかった?
いいんです、作るのが楽しかったので←。
今回の記事で取り上げた面白い名前は、ドイツ国内でも珍しい苗字が多いんですが
いろいろ調べてみると「こんな名前、嫌だなぁ、、、」という苗字が多くて驚きました(震え)
一体どんな想いでこんな苗字たちが生まれたのか、、、。
謎は深まるばかり。
おわり!