来週、初めてスウェーデンに行きます。
旦那が「スウェーデン行くならこれを観るべし!」と勧めてくれた映画があったので、先日一緒に観ました。
スウェーデンに行くのは初めてなんですが、スウェーデンがどんな感じなのかが映画で分かるのかな、、、ドキドキ。
- スウェーデンを代表する児童文学「長くつしたのピッピ」
- Pippi in Taka-Tuka-Land「ピッピの宝島」あらすじ
- 現実は無視!ありえない事ばかり起こる
- とにかくピッピがかっこいい
- 「長くつしたのピッピこじらせ女子」が現れてもおかしくない位、ピッピはかっこいい
- 女の子らしくない。だがそれがいい
- 肝心のスウェーデンの雰囲気は、、、
- 宮崎駿も映画化を試みた
- 最後に:日本ではあまり有名じゃない「長くつしたのピッピ」
スウェーデンを代表する児童文学「長くつしたのピッピ」
名前を聞いたことがある方もいるかと思います。
私も名前だけ知ってました。
本当に、ぼんやりとですが。
ドイツでは「長くつしたのピッピ(ドイツ語名:Pippi Langstrumpf)」は誰でも知っているくらい有名な作品のようで
子ども時代は、みんなピッピにワクワクさせられるらしいです。
原作は、1945年に刊行されたアストリッド・リンドグレーンの童話。
童話の他にも絵本や短編集、TV版、アニメ版、映画版など様々なバージョンがある「長くつしたのピッピ」シリーズですが
今回観たのは1970年に公開された「Pippi in Taka-Tuka-Land」(ドイツ語版、日本語版では「ピッピの宝島」)というOlle Hellbom監督の映画です。
Pippi in Taka-Tuka-Land「ピッピの宝島」あらすじ
ピッピは街のはずれの奇妙な家に1人で住む女の子。
ある日ピッピと友達のトミーとアンニカ兄妹は、水辺で瓶に入った1通の手紙を見つけます。
それは海賊の船長でもあるピッピのお父さんからの手紙で、「自分の宝を隠した場所を言わないために他の海賊に捕まり、Taka-Tuka島に閉じ込められている。」という内容のものでした。
ピッピとトミーとアンニカの3人(と、ピッピのペットで子ザルのニルソン氏)は、すぐさまピッピのお父さんを助けにTaka-Tuka島に向かいます。
現実は無視!ありえない事ばかり起こる
この映画は、現実では到底あり得ない出来事の連続です。
海賊のアジトに行くには熱気球付きの空飛ぶベッドを使い、それで絶賛噴火中の火山口すれすれを飛んだり。
空飛ぶベッドが壊れたら、ゴミ置き場で見つけた壊れた自転車とプロペラと木箱だけで空飛ぶ自転車を作ったり。
途中不時着した小さな無人島にはライオンが生息していますが、そんな事はおかまいなし。
食料を取り、簡単なテントを作り、子ども3人だけで立派にサバイバルしてみせます。
いやいや、ありえないだろっ!
、、、と突っ込むのは、粋じゃないですね。(ガマンするのは大変でしたが。)
あり得ないようなことを見せるのが、創作の良い所でもあります。
とにかくピッピがかっこいい
赤毛のツインテール、そばかすだらけの顔、悪だくみが得意そうな、だけど天真爛漫な笑顔。
そして何と言っても長くつした。
この映画の主人公であるピッピは、おばあちゃんから受けた「出来ないことは何もない」という教えにとても忠実です。
ピッピは、とにかく強い。
大の大人を窓の外に投げ飛ばすくらいの超力持ちで
子どもだけで海賊のアジトに乗り込んでいっちゃうぐらい破天荒。
そして、すごくお行儀が悪い。
ベッドには靴を履いたまま入るし
ごはんを食べるときはテーブルにうつ伏せに寝ころび、皿を椅子に置いて食べます。
力持ちで、破天荒で、お行儀が悪い。
この映画は児童文学から派生した作品ですが
ピッピは子どもにはマネしてほしくない(もしくはマネできない)ような行動ばかり取るので
親からすると「あまり子どもには見せたくない」と思う人もいるかもしれません。
ただ子どもからすると何もかも型破りでとても頼りになるチャーミングなピッピに憧れを抱くのだろうなぁ、とも思います。
また、旦那曰く
「長くつしたのピッピ」シリーズでは、悪い事は一切起こりません。
トラブルは付き物ですが、最後は必ずハッピーエンドになります。
そんな幸せな雰囲気も、子どもがピッピを愛する要因かもしれません。
「長くつしたのピッピこじらせ女子」が現れてもおかしくない位、ピッピはかっこいい
子どもでもなく、親でもない私からすると
普通の人がしないような行動を平気でやってのけるピッピは
見ていて日常生活のモヤモヤがすべて馬鹿らしくなるほどのパワーを与えてくれると思いました。
そんなピッピに憧れのようなものを抱きさえしました。
「長くつしたのピッピ」の映画を観て思ったのですが
私の周りには、ものすごくピッピっぽい女の子がいます。
いや、女の子というのか、、、。
30代でカナダ人の彼女は、見た目がピッピに似ているというだけでなく(ツインテールではないですよ!)
破天荒な言動が、何となくピッピを想像させるところがあります。
ピッピも30代ともなると、周りもそれなりに手を焼いている感もあるのですが、、、。
彼女がピッピに触発されてそうなったのかは分かりませんが
私は彼女を心の中で「長くつしたのピッピこじらせ女子」と命名しました。
すみません。ただ言ってみたかっただけです。
女の子らしくない。だがそれがいい
ピッピはとにかく女の子らしくありません。
女の子らしくない女の子なんて、現代ならどこにでも居ますが
作者アストリッド・リンドグレーンがこの作品を発表したのは、戦後間もない(もしくはまだ戦争中?)の1945年。
戦時中、または戦後のスウェーデンの雰囲気がどうだったのかは分かりませんが
戦後、1960年のスウェーデンでの女性の労働力率は50%ほどに過ぎず*1、女性の立場は当時の日本と同じような状況だったのではないかと思います。
そのような時代、強い女の子を主人公とした文学はとても珍しかったのではないかと思います。
現在のスウェーデンは男女平等が進み、女性が活躍できる社会というイメージがありますが
その背景にもしかしたらピッピが居るのかも!と思うと胸熱です。
肝心のスウェーデンの雰囲気は、、、
初めてスウェーデンに行くからということで、勧められて観た「長くつしたのピッピ」。
肝心のスウェーデンっぽさなんですが、、、
ないんだな、これが。
私の観た「Pippi in Taka-Tuka-Land(日本語版タイトル:ピッピの宝島)」のほとんどはアドリア海に面するモンテネグロのブドヴァという都市で撮られたようで*2、北欧っぽさは全くありませんでした。
ただ、この映画を観て「長くつしたのピッピ」が大好きになったので
こんな素敵な作品が生まれた国に行くのが楽しみにはなりました。
スウェーデンの雰囲気は、、、自分の目で見て確かめてきます。
宮崎駿も映画化を試みた
どうやら、あの宮崎駿監督も「長くつしたのピッピ」のアニメ化を計画していたようです。*3
途中まで作ったそうですが、結局原作者の許可が下りずアニメ化は断念せざるを得なかったようです。
ジブリ版の「長くつしたのピッピ」も観てみたかったなぁ、、、!
最後に:日本ではあまり有名じゃない「長くつしたのピッピ」
今回は
スウェーデン発祥の児童文学「長くつしたのピッピ」の映画版「Pippi in Taka-Tuka-Land(日本語版タイトル:ピッピの宝島)」を観た感想を書きました。
映画を観終わった後、「長くつしたのピッピ」についていろいろ調べてみたんですが
日本語だと、そこまで情報がありませんでした。
日本ではあまり有名ではないのかな?
特に今回観た「Pippi in Taka-Tuka-Land(日本語版タイトル:ピッピの宝島)」に関しての情報は、ほとんどないと言っていいような状況でした。
アマゾンで日本語版の映画があるかどうかを調べてみたんですが
商品の写真には「¥1,890シリーズ」と書いてあるにもかかわらず
アマゾンでの商品の値段は5480円。(2017年7月7日現在)
なぜなのか。
プレミアか何かが付いているのでしょうか。よく分かりません。
映画も面白かったのでぜひおすすめしたいですが
もし見つからなければ文庫で読んでみるのも面白そうです。
ピッピの世界に引き込まれて
あなたも長くつしたのピッピこじらせ女子(もしくは男子)になってみませんか?
おわり!