2011年9月から6年ほどドイツに住んでいます。
今回の記事では
ドイツで6年暮らした中で感じたドイツでの生活の良い点と悪い点を書き出しました。
ドイツ生活の良い点
まずは、ドイツの暮らしやすい点から。
食料品が安い
例外はありますが、ほとんどすべての食料品が日本に比べて安く手に入ります。
特に野菜・果物などの生鮮食料品や肉、乳製品、パンなどが安いです。
アルコールが安い
ビールやワインなどのアルコール類が圧倒的に安いです。
例えば
スーパーの特売品で、ドイツ(またはチェコなど)のビール500ml瓶24本入りのケースが9ユーロ(約1100円)で手に入ったりします。
ワインも、安いものは1瓶1.5ユーロ(約180円)ぐらいから買えます。
食料品のクオリティが高い
EU内の自由な貿易の影響で、品質の高い他国の食材が安値で手に入ります。
オランダやフランス産のチーズ、イタリア産のサラミ、スペイン産の生ハム、ギリシャ産のオリーブなどなど、、、。
また、ドイツ産のワインは酸っぱくてあまり美味しくないんですが、気候の温暖なフランス、イタリア、スペイン産の美味しいワインも安く手に入ります。EU万歳!!
仕事の拘束時間が短い
職種によって違いはあるとは思いますが、一般的にドイツは労働時間にとても厳しいです。
サービス残業はなく、例えば1時間残業した分は、翌日以降に1時間早く帰る、または出勤を1時間遅らせることで調整します。(調整できない分に関しては、残業代が支給されます。)
また、ドイツ人は休暇を何よりも楽しみにしているので有給の消化率も高いです。
海外旅行しやすい
ドイツは大陸のど真ん中にあるので、他の国にアクセスしやすいです。
地続きの国境を共有している国は9ヵ国もあります。
(デンマーク、ポーランド、チェコ、オーストリア、スイス、フランス、ルクセンブルグ、ベルギー、オランダ)
また、ドイツから買う飛行機は安いことが多いです。
例えば日本↔ドイツ間の往復チケットも、ドイツからの便の方が安く買えます。
なぜなのかは未だに分からないのですが、多分ドイツ人が旅行好きで飛行機をよく使うことに関係しているのではないかと思います。
地震が少ない
ドイツの地震マップ
Von Störfix - selbst gezeichnetbased on [.. Template/Data-Source? ..], CC BY 2.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=464854
洪水などの災害はありますが、ドイツは地震が非常に少ないです。
ドイツ国内では、2000年代に入ってからは15回程度しか地震が起こっていませんし
上の図のように、地震が起こる地域も南ドイツに限られています。
参照:Liste von Erdbeben in Deutschland – Wikipedia
高速道路が無料
ドイツ全土を走る、アウトバーン。
速度制限がないことで有名なドイツの高速道路・アウトバーンですが、なんと料金も無料です。
ちなみに
アウトバーンは、ナチス・ドイツ時代にヒトラーが建設させたとされています。
なんでも、国中に素早く戦車を運ぶために建設されたのだとか。
同じくヒトラーによって計画されたフォルクスワーゲンと並び、アウトバーンはナチス・ドイツの数少ない功績の1つだと考えられています。
自転車に関するインフラが充実している
日本でも最近取り組みが強化されましたが、ドイツの自転車に関するインフラはとても充実しています。
自転車専用道路や自転車専用の信号機が充実しているのみならず
自転車を使う人が多いので、自転車の左側通行(ドイツでは右側通行ですが)などのルールも浸透しています。
また、ハンブルクなどの都市部ではレンタル自転車が充実しており、登録料5ユーロ(約580円)を払えば実質乗り放題*1で使うことが出来ます。
ハンブルクのレンタル自転車サービス「StadtRAD」についてはこちらから↓
湿度が低く、夏は過ごしやすい
日本のじめじめした夏と違い、ドイツは湿度が低いので、夏は過ごしやすいことが多いです。
(ただし、日本と違い天気が悪いことも多いですが、、、。)
住所の表記が分かりやすい
ドイツでは、どんな小さな道にも通りの名前が付いています。
基本的に通りの名前+家番号が住所となるので、シンプルで覚えやすいです。
【例】
ベルリンにある日本大使館の住所:Hiroshimastraße 6
東京にあるドイツ大使館の住所:港区南麻布4-5-10
ベルリンにある日本大使館の住所は、通りの名前+家番号だけでとてもシンプルです。
(ベルリンには「Hiroshima通り」という名の道があるんですね、、、知らなかった。)
また家番号は通りのどちらか一方が偶数、もう一方が奇数となるので、探している家番号が見つけやすいです。
ゴミ箱が多い
日本だと、テロ対策として街中でもあまりゴミ箱を見かけませんが
ドイツの街中には「これでもか!」という程ゴミ箱が設置されています。
多い所では、10歩おきにゴミ箱が見つかるほどです。
また、街中だけでなく駅や電車の中にも多くのゴミ箱が設置されています。
ゴミ箱が多い分、テロの危険性は上がるのかもしれませんが、、、。
捨てたいときにゴミ箱がすぐ近くにあるのは、非常に便利です。
ドイツ生活の悪い点
今度は逆に、ドイツの暮らしにくい点を紹介します。
寒い・天気が悪い
これはドイツの1番のマイナス点だと個人的には思います。
冬が長く、とにかく寒い、、、。
特に私が住んでいたハンブルクでは天気が悪い日が非常に多く、太陽が出ていないというだけで気分が鬱々とします。
また夏でも、特に日が落ちると寒いと感じる時もあります。
運転が荒い
ドイツ人は日本人に比べ独りよがりな運転をするドライバーが多いように感じます。
例えば
信号が青になった瞬間に発車しないと、後続車に即クラクションを鳴らされたり、、、。
速度制限も日本より速めに設定されているからか、スピードを出すドライバーも多いです。
駐車場が少ない
これは都市部に限っての話ですが。
ドイツのアパートには専用駐車場が付いていない所も多く、そうなると路上駐車をすることになるのですが
住宅地だと、会社員や学生が帰宅し始める午後4時以降は家の近くに駐車場が見つからないこともしばしば。
30分以上駐車場を探してウロウロするはめになったり
酷い時は車を駐車した後で、家に帰るために電車やバスに乗らなければいけないというような話も聞きます。
水道水が硬水、カルキが多い
日本の水道水は軟水ですが、ドイツの水道水は硬水です。
最初は「硬水ってダイエットにもいいらしいし、一石二鳥!」と思っていたんですが、、、。
特にシャワーの時、硬水でシャワーをすると髪がバッサバサになります。
↓以前日本でも流行った硬水、コントレックス。
自然の硬水を飲むだけなら体にいいのかもしれませんが、、、。
また、ドイツの水道水にはカルキが多く含まれています。
例えば
水道水で洗ったコップをそのまま拭かずに放置すると、コップにカルキの跡が残って汚くなったり
洗濯機や食洗器、電気ケトルなどの水を使う電化製品も、カルキ対策をしないと内側にカルキが溜まって壊れてしいます。
これは本当かどうか定かではないのですが
「ドイツの水道水を飲み続けると、ヒザにカルキが溜まって将来ヒザが曲がらなくなる」なんて話も聞いたことがあります。
(なんとなく怖いので、その話を聞いた後に浄水器を買いました、、、笑)
家探しが大変
こちらも都市部に限った話ですが。
私が以前住んでいたハンブルクでは、家不足が深刻な問題でした。
進学や就職、転勤などでいざ住む所を探そうとしても、なかなか見つからないことがほとんどです。(高いお金を払えば別かもしれませんが、、、。)
以前ハンブルクで友人が部屋を探していた時に、1Kの部屋の内見に30人ほどの人が群がったという話も聞いたことがあります。
このようなことは頻繁にあるようで、部屋が見つからないためにハンブルクに住むことを諦めた友人もいます。
ハンブルクのみならず、学生などの多い大都市では家不足が深刻な問題となっているようです。
食事
北ドイツの郷土料理「ラップスカウス」。
見た目はアレですが、味は意外とおいしい。
ドイツの食事は、それはそれで美味しいのですが、、、。
やはり、日本食が世界で1番美味しいです。
特に日本食の種類の多さに慣れていると、ドイツ食はなんとも物足りない感じがします。
物乞いが多い
EU圏内にあるドイツには他国から多くのモノやヒトが流れてきますが、それが必ずしも好まれるものだとは限りません。
ドイツ人の物乞いもいますが、特に南欧や東欧の貧しい国からの物乞いが多いです。
中には「私たちの権利向上の為に、サインにご協力ください」などと書かれた紙を通行人に見せながら歩き、サインをくれた人にお金を請求するというような悪質な物乞いも居ます。
喫煙のマナー
ドイツには喫煙者が非常に多い。
レストランやバーなどを含めた公共の場での室内禁煙が法律で義務付けられているドイツですが、喫煙者が外で歩きたばこをすることには無関心なようです。
屋外に喫煙所という場所はほとんどなく、屋外すべてが喫煙所な場合が多いです。
また、ゴミ箱が多く設置してあるにも関わらず吸殻をポイ捨てする人が非常に多いのも残念な点です。
治安の問題
ドイツの治安はそこまで悪くありませんが、世界一安全な国・日本に比べると心配な点は多いです。
テロの脅威
2016年12月、ベルリンのクリスマスマーケットにトラックが突っ込み、死者12名を出すという凄惨なテロが発生しました。
一昨年に起こった難民危機を境にドイツ各地でテロが発生しており、テロに関する心配事は尽きません。
トイレが有料
カフェやレストランなど、お金を払って利用する施設のトイレはもちろん無料ですが
公衆トイレやショッピングモール内、駅構内や高速道路のサービスエリアにあるトイレは、50セントから1ユーロ(約60円~120円)の料金が発生することが多いです。
日本のように、トイレが無料で使えるコンビニなどの施設がドイツにはありません。
かと言って、生理現象なので止めるわけにもいかないし、、、。
また
トイレが有料なことに関係していると思われますが、所かまわず立ちションする人が多いです。
男性の立ちションは、それこそ駅前や街のど真ん中で見かけることもありますし
高速の休憩所などでは、藪の中に使用済みのティッシュが落ちているのをよく見かけます、、、。
立ちションをする人が多すぎて、ハンブルクの繁華街・レーパーバーンでは以下のような取り組みを始めました。
「立ちションスポットに撥水性の塗料を塗る」という方法で、立ちショニスト(?)達を撃退しようとする取り組みです。
効果があるのかどうかは分かりませんが、立ちションが自分に跳ね返ってきたら確かにイヤですよね、、、。
トイレが冷たい・ウォシュレットなんてものはもちろんない
日本のトイレは、世界一。
これに異論のある人は少ないのではないでしょうか。
ドイツのトイレは清潔ではありますが、日本のトイレと比べると見劣りするし
便座を温める機能がないので、冬は出るものも引っ込むかと思われるほど冷たいです。
もちろん、ウォシュレットなんていう素敵なものもありません。
良い?悪い?評価が分かれる点
ドイツの暮らしの中で、日本とは違うけれど良いか悪いかは人による点をまとめました。
犬を連れてどこにでも行ける
電車の中であろうとレストランであろうと、犬を連れて行ける施設が非常に多いです。
愛犬家にとっては嬉しいことですが
犬が嫌いな人や動物の毛にアレルギーがある人などにとっては辛いことですよね。
個人的には、食品を扱うレストランへのペット同伴はどうかと、、、。(もちろん、盲導犬などは除いて、ですが。)
チップの制度がある
ドイツではカフェやレストラン、またタクシーやホテルなどでのチップを渡す制度があります。
チップの料金は受けたサービスにより変えますが、大体料金の10%前後です。
働いている側からすると素晴らしい制度だと思いますが
客側からすると、慣れていないと少々めんどくさい制度かも?
いろいろなモノのサイズが大きい
ドイツ人は身長が高い人が多いので、いろいろなモノのサイズが大きいです。
サイズが大きくて嬉しいものは、家や食事。
家は広くて天井が高く、食事は量が多いのでお得感があります。
逆にサイズが大きくて困るものは、トイレ・洗面台・台所や、歯ブラシ・ショッピングカートなどなど、、、。
トイレや洗面台・台所は背が高くて座りづらかったり作業がしづらかったりします。
歯ブラシやショッピングカートは、大きすぎて小回りが利きません。
個人的には、サイズが大きくて困ることの方が多いです。
日曜・祝日に店が開いてない
ドイツのお店やスーパーは、日曜・祝日はお休みです。
例外的にガソリンスタンドや都市部の一部のスーパーは開いていますが、24時間365日営業のコンビニはありません。
働く側としては嬉しいことですし、電力を節約できるなどのメリットもありますが
祝日や真夜中でも何かしらのお店が開いている日本の生活に慣れてしまうと、不便に感じることも多いです。
まとめ
今回は
ドイツ在住6年の私がドイツ暮らしの良い所と悪い所をまとめました。
今回の記事では「ドイツ語の能力」については抜きに書きましたが
ドイツで生活するにあたり、一番の問題は言語だと感じます。
日本人が日本で日本語を話すように、ドイツ人もドイツではドイツ語を話します。(当たり前ですが、、、。)
渡独当初、私はドイツ語が全く話せませんでした。
英語が少しだけ話せたので「何とかなるやろ」と思っていたのですが、やはり住むとなると現地の言葉は必須です。
日本とドイツ、どちらの方が住みやすいかというのは決めかねますが(やはり、母国は特別な存在なので)
個人的には、ドイツはとても住みやすい国だと感じます。
、、、天気が悪い事を除いては。
こればっかりは、どうしようもないんですけどね(泣)
ただその分ドイツは休暇が多いので、休暇は暖かい所で過ごすようにしています。
ヨーロッパで難民問題が起こってから、ドイツに来る日本人が非常に少なくなったと聞きました。
今回の記事が、誰かのドイツ生活の参考になれば幸いです。
おわり!