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ドイツで「第3の性」容認へ!中間性のための今後のトイレの在り方を考える

ドイツで「第3の性」容認へ

www.cnn.co.jp

www.huffingtonpost.jp

2017年11月8日、ドイツの最高裁である連邦憲法裁判所は

生まれながらに男性でも女性でもない「第3の性」を法律で認めなければいけないという判決を出しました。

 

この判決により、ドイツでは2018年末までに出生届の選択肢に第3の性を含める新しい法律を作らなくてはならないことになります。

 

ドイツでは2013年に、子どもの出生証明書で性別欄を空白のままとすることを認めましたが

男性でも女性でもない第3の性を認める法律が制定されれば、欧州では初めてのことになります。

 

性の多様性を認める歴史的な一歩

今回の提訴の原告は

戸籍上は女性として登録されていますが、生まれつき男性と女性両方の身体的特徴があり、染色体分析では男性でも女性でもないとの結果が出ていたようです。

 

国連によると

男性または女性に一般的な特徴を生まれながらに持たない中間的な性別の人は世界に0.5%~1.7%おり

こうした人たちは、手術や差別、暴力といった形で常に人権侵害のリスクにさらされているそうです。

 

この判決がなされる以前のドイツでも

男女両方の身体的特徴を持つ人たちは激しい痛みが伴い、かつやり直しの効かない性別変更手術を強いられていたというのだから驚きです。

 

既にインドオーストラリアなどの国では「第3の性」が認められていますが

「女性・男性以外の第3の選択肢がないのは違憲だ」とした今回のドイツでの判決は、男性・女性という枠組みには収まらない人たちの歴史的な一歩となりました。

 

トイレも今後「男性用」「女性用」だけじゃなくなるかも!?

www.spiegel.de

上記の記事で、原告側のスポークスマンが記者に話した内容を一部抜粋します。

Im Reisepass und in allen Formularen in Behörden wird es drei Optionen geben müssen. Und das Diskriminierungsverbot des Grundgesetzes betrifft zum Beispiel auch öffentliche Toiletten: Derzeit gibt es da nur zwei Türen, das darf nicht so bleiben. 

パスポートや、他のすべての公式書類にも「第3の性」の選択肢が追加されるべきです。
そして憲法にある差別禁止は、例えば公衆トイレなどにも該当します。現在トイレには2つのドアしかありませんが、これもそのままにしておくことは許されません。

意訳:当ブログ筆者

つまり、原告側のスポークスマンは

法律で第3の性が容認されたからには男女の選択が求められるいかなるもの、例えばトイレに関しても、第3のオプションを追加すべきだということを訴えています。

 

考えてみればもっともなことなんですが

この考えは私にはなかったので「確かにそうだよなぁ、、、!」とびっくりしました。

 

今のトイレの現状

現在、トイレには大きく分けて以下の3タイプがあります。

  • 男女兼用
  • 男女別
  • 部分的に男女別(小便器は男性専用で、大便器は男女兼用など)

 

中間性を持つ人のことを考えると 

男女兼用トイレに関しては、今のままで問題ないでしょう。

(「男女兼用」という名前は、変える必要があるかもしれませんが。)

 

問題なのは

例えばショッピングモールやパーキングエリアなどで見かける男女別のトイレ。

 

「男女トイレの間の壁をぶち壊して、男女兼用にしちゃえばすべて解決!」

、、、かと言えば、そんなに簡単な問題でもないですよね。

 

そもそも、トイレはなぜ男女別なのか?

昔はきっと、別じゃなかったと思うんですよね。

 

ではなぜトイレが男女別になったのかと言えば

①男女のトイレの仕方の違い

②性犯罪

③ただ単に、異性がいると気持ち悪い

この辺が理由なのではないかと推測します。

 

①男女のトイレの仕方の違い

男性は小便器を使うことにより、トイレの回転率も上がって、トイレ自体のスペースも少なくて済みますが

一方女性はそういう訳にもいかないので、個室の大便器が必要になります。

時間に関しても、男性よりは長くかかることが多いですよね。 

 

トイレの仕方が違う男女を分けることで、ある程度効率化が図れます。

 

②性犯罪

食欲・睡眠欲と並び、ヒトの3大欲求でもある性欲。

 

理性で抑えるのが社会の中では常識ですが、抑えようったってどうにもならないこともあるでしょう。

 

特にトイレはその性質から性的なことを思い起こさせる場所なので

盗撮やトイレ内での性犯罪を未然に防ぐために、男女のトイレが別なのは合理的なことです。

 

③ただ単に、トイレに異性がいると気持ち悪い

トイレは男性と女性に分かれているというのが小さい頃からの常識なので

慣習として、気持ち的に「異性がいると気持ち悪い」と感じます。

 

女性からすると

男性が小便器で用を足してるのを見るのって、何となく嫌ですよね。

 

逆に男性からすれば

例えば女性特有の生理用品がゴミ箱からはみ出していたりすると、嫌な気持ちになると思います。(これは女性も嫌な気持ちになりますが、、、。)

 

あと女性はトイレで化粧直しもするので、その姿を男性に見られたくないというのもあります。

 

トイレの「第3の選択肢」を考えてみた

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以上の「なぜトイレは男女別なのか?」を踏まえ

今後トイレに「第3の選択肢」を追加する方法を考えてみました。

 

①「第3のトイレ」を作る

男性用・女性用トイレとは別に、中間性用のトイレを新たに作る方法です。

 

ただこれは、中間性を持つ人の割合(国連の発表では、全人口の2%以下)を考えるとあまり実用的ではないですね。

 

②トイレを男女兼用にして、すべて個室にする

イメージとしては、飛行機の中のトイレ。

 

あれは男女兼用ですが

すべて個室で、個室も隙間がなくプライバシーが保たれていますよね。

 

ただ、個室で化粧直しと化されると混雑の原因になって迷惑なので、別途にパウダールームがあると女性は助かります。

 

あとは「自分が入る前/入った後に異性が入る」という気持ち悪さを解消するために

トイレの消毒シートや消臭剤なんかがあるとなお良いと思います。

 

ただ

現在男女で分かれているトイレを1つにするとなると、これはこれで相当な費用がかかりそう、、、。

 

③多機能トイレ

多機能トイレがある場合は、多機能トイレを中間性を持つ人のために開放するというのも1つの手です。

 

個人的には、これが1番現実的なのではないかと思います。

 

ただ

多機能トイレは車椅子の方やオストメイトなど、そのトイレしか使うことが出来ない方も利用する場所なので

性別に関して辛い思いはしているものの健常者である中間性の方が使うことに関しては、様々な意見が挙がるでしょう。

 

実際にネットで調べてみると、健常者が多機能トイレを使うことに関しては賛否両論あるようです。

子連れでの身体障害者用トイレ利用について : 妊娠・出産・育児 : 発言小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

うーん、難しい問題だなぁ、、、。

 

まとめ

今回の記事では

ドイツで「第3の性」が容認されたことを受け、今後のトイレの在り方について考えてみました。

 

男性でも女性でもない中間性を持つ人にとって、トイレのたびに自分をどちらかの枠に当てはめなければいけないのは相当な苦痛だと思います。

 

個人的には多機能トイレを利用してもらうのが1番の解決策だとは思いますが

「誰でも使えます」という多機能トイレでも、健常者が使うこと自体が問題になることもあるので、なかなか難しいところです。

(しかも、ドイツには多機能トイレ自体が少ない、、、。)

 

まだ「第3の性」が容認されていない日本で「第3のトイレ」について考えるのは時期尚早だとは思いますが

LGBTが徐々に受け入れられてきている現代において、その先の問題について考えることも近い将来必要なのではないかと感じます。

 

まずは、「第3の性」を受け入れたドイツが今後トイレ問題をどうするのかに注目したいところです。

 

おわり!